美術集団「サムディ45」小野寺さん、日仏美術展に初挑戦で初入選
作者の小野寺浩さんと、7月に開かれた「サムディ45」作品展で紹介した色鉛筆・パステル画
「第22回 日本・フランス現代美術世界展」(JIAS日本国際美術家協会主催)に色鉛筆画「三陸虎の舞い」を初出展した釜石市の美術集団「サムディ45」所属の小野寺浩(ゆたか)さん(61)=甲子町=が、このほど初入選を果たした。「素直にうれしい。虎舞をモチーフにシリーズ化したいと考えており、作品に向かう意欲も高まった」と力を得ている。
同展は、フランスやオランダなど海外の著名作家作品と、公募により選出された邦人作家作品が合同展示される展覧会。フランスの老舗サロン「サロン・ドトーヌ」が特別協賛する。油彩画や日本画などの平面作品に加え、ガラス工芸や彫刻、建築デザインなど、多様な分野の作品を受け入れている。
「三陸虎の舞い」(縦100センチ、横80・3センチ)は、地元の郷土芸能「虎舞」をモチーフに、色鉛筆とパステルを併用し色彩豊かに仕上げた作品。釜石も試合会場となった2019年のラグビーワールドカップ日本大会を盛り上げようと、地元の高校生が披露した躍動感あふれる演舞に心を引かれ、題材に選んだ。東日本大震災発生から復興を進める中、日々変化する地域を元気づけ、人をつなげてきた郷土芸能の価値を見つめてもらいたいとの願いも込めた。
入選作品「三陸虎の舞い」
小野寺さんは4年ほど前、市内のパステル画教室に参加したのをきっかけに本格的に絵を描き始めた。もともと色鉛筆画に興味があったことから、画材を併用した作品づくりも開始。サムディや陸前高田市の美術団体に所属し、地元の美術展への出品などを通じ、画力を磨いてきた。
初出展初入選に、「モチーフが良かった。世界から見ると、まだ知られていない、飽きていないものだったのだろう」と控えめに話す小野寺さん。自分の絵が世界的に認められたとの実感もあるようで、「世界観が変わる入り口にいる感じ。走り出したばかりだが、どんな変化があるか楽しみ」と、この先に広がる景色を思い描いている。
第22回展は8月5日~15日に東京・六本木の国立新美術館で開催。小野寺さんの作品も展示される。今回、全国から約200人の公募があり、入選したのは約150人。海外の招待作家作品と合わせ、約500点が出展されるという。
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