ラグビーW杯聖地で永遠の愛を誓う~うのスタで初の結婚式~
釜石鵜住居復興スタジアムで結婚式を挙げた本間和樹さん、えりさん夫妻(中央)
釜石市鵜住居町の釜石鵜住居復興スタジアムで18日、同所初の公開結婚式が行われた。挙式したのは千葉県在住の本間和樹さん(37、介護福祉士)、えりさん(38、看護師)夫妻。大のラグビーファンで、東日本大震災後、被災した釜石の力になりたいと何度も当地に足を運んでいた和樹さん。最愛の妻えりさんと歩む新たな人生の門出を思い入れの深い同スタジアムで迎えた。
昨年10月に入籍した本間さん夫妻は、宮古市の浄土ヶ浜パークホテル(松本順社長)が公募した同スタジアムでの挙式プランに応募。総数25組の中から選ばれた。式には両家の親族のほか、ラグビーに関わる復興支援活動を共にしてきた仲間らが出席。2人は芝生の上に敷かれたバージンロードを宮古ラグビースクールの子どもたちのエスコートで入場した。
松本社長、来賓として招かれた野田武則釜石市長、山本正徳宮古市長が祝福。釜石シーウェイブス(SW)RFCの桜庭吉彦ゼネラルマネジャーがキックオフ宣言し、婚姻証明ラグビーボールへのサイン、指輪の交換などが行われた。誓いのキスの前にはSWの選手らがサプライズ登場。新郎和樹さんがSWと勝負して、トライを決めればキスができるという演出で盛り上げた。唐丹町の「桜舞太鼓」、地元の「鵜住居虎舞」も式に花を添えた。
婚姻証明ボールにサイン!新郎和樹さんを知る宝来館おかみの岩崎昭子さんが立ち合った
靴が脱げるハプニングをものともせず、SW選手を突破しゴールを目指す和樹さん
SWによる思わぬサプライズに和樹さんもこの笑顔!
和樹さんは幼いころから父や叔父に連れられラグビー観戦。日本選手権7連覇を果たした新日鉄釜石のことも聞かされていた。学生時代に初めて釜石を訪れ、人の温かさに感動。震災後、被災した釜石のためにできることはないかと考え、ラグビーワールドカップ(W杯)誘致に動き出していたNPO法人スクラム釜石の活動に参加した。同スタジアムの清掃作業などで何度も現地入り。大会当日はまちなかボランティアで活動し、フィジー対ウルグアイ戦も観戦した。
多くの祝福を受け、新たな人生の一歩を踏み出した本間さん夫妻。最高に幸せな瞬間
「釜石は第二の故郷」と和樹さん。特別な場所で迎えた人生最良の日。「最高にうれしい、幸せな時間だった」と大きな喜びに浸った。スタジアムが伝える命の教訓から大切な人を守る意識を強め、「素直に思いを伝え合い、温かい家庭を築きたい」と願った。えりさんは「多くの方に祝福してもらい、感謝の気持ちでいっぱい。何かの形で恩返しできたら。つまずいた時こそ2人でよく話し合い、解決策を見つけて支え合っていきたい」と誓った。
結婚式という1つのモデルができ、新たな活用に期待が高まる釜石鵜住居復興スタジアム
同ホテルは震災復興を目指す三陸の知名度向上、観光誘致を図る新たなモデルとして、復興の象徴である同スタジアムでの挙式を発案。コロナ禍で式をあきらめがちなカップルの応援も目的とした。市スポーツ推進課の佐々木豊課長は「競技以外でも、この素晴らしい環境を体験してもらうのは非常にいいこと。市からも情報提供しながら、鵜住居地域に人の流れを作っていければ」と話した。
釜石新聞NewS
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