甲子川流域 連携し治水対策~協議会設立 プロジェクトを策定・公表へ
初会合を開いた甲子川水系流域治水協議会
気候変動で激甚化・頻発化する水害リスクに備え、2級河川の甲子川の治水や減災対策を広域的に考える「甲子川水系流域治水協議会」の初会合が8日、釜石市新町の釜石地区合同庁舎で開かれた。釜石市、県沿岸広域振興局、林野庁東北森林管理局などが参加。各機関が計画している治水対策を取りまとめ、8月末に「流域治水プロジェクト」を策定する方針だ。
国は相次ぐ豪雨災害を教訓に、河川の治水を河川管理者だけでなく、あらゆる関係者が流域全体で減災に取り組む「流域治水」という考え方に転換。県も2016年の台風10号、19年の台風19号をはじめ、近年の激甚な水害、気候変動による今後の水害の顕著化、頻発化に備え、流域全体で減災に向けた治水対策を計画的に進めることしている。こうした動きを受け、甲子川でも流域が抱える水害リスクの共有、流域の一体的な事前防災体制の構築を目的に、関係機関による協議会を設立させた。
関係機関が進める治水対策について情報を共有した
流域治水プロジェクトには、市、県、国が進めている治水対策を網羅する方針。地域特性を踏まえた中下流部の河川改修、降雨に伴う土壌流出を抑制するための間伐など森林整備、ごみや土砂による水路の閉そく対策としての「スクリーン」の設置、洪水・土砂災害に関するハザードマップの作成、小型気象計や危機管理型水位計などの設置・活用による河川情報の充実などが盛り込まれる見込みだ。
初会合では各機関の取り組みを確認し、プロジェクト案をおおむね了承。今後、事務局が最終案をまとめ、8月末までに県の流域治水プロジェクトのホームページ上で公表する。沿岸振興局土木部の佐野孝部長は「関係機関の連携が大切。顔の見える関係となり、さまざまな情報共有を行いながら事業を進め、地域の人の命や財産、通常の生活を守っていきたい」と締めくくった。
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