アンサンブル・ル・シエル 歌い込んだハーモニー2年ぶりに披露


2021/07/03
釜石新聞NewS #文化・教育

合唱用の飛沫(ひまつ)防止マスクを着用して歌うアンサンブル・ル・シエルのメンバー

合唱用の飛沫(ひまつ)防止マスクを着用して歌うアンサンブル・ル・シエルのメンバー

 

 釜石市の女声合唱グループ「アンサンブル・ル・シエル」(中村玲代表)は6月20日、大町の市民ホールTETTOで7回目のコンサートを開いた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で昨年は中止したため、2年ぶりの開催。観客約50人が美しい歌声とハーモニーに酔いしれ、コロナ禍を忘れる心潤うひとときに笑顔を広げた。

 

 指導者の木下佳子さんの指揮で、賛助出演を含む12人のメンバーが1年間温めてきたプログラムを届けた。オープニングを飾ったのは、髙田三郎作曲の「雅楽の旋法による聖母賛歌」。クリスチャンで、女声合唱のための典礼聖歌を数多く残している髙田氏の代表作をア・カペラで歌い上げた。

 

 ア・カペラは相澤直人作品選集からも。谷川俊太郎、工藤直子、みなづきみのり作詩の7曲を聞かせ、祈りや希望が染み入る曲に観客が聞きほれた。最後は松任谷由実のヒット曲をメドレーで送る「ユーミン・オールディーズ」(信長貴富編曲)。ゲストの佐々木洋子さんのピアノ、佐々木勤子さんのフルートと共演し、にぎやかなステージで締めくくった。佐々木さんらは合唱の合間に楽器演奏でも魅了した。

 

フルートの佐々木勤子さんらと届けた「ユーミン・オールディーズ」。女声合唱でよみがえる名曲の数々に観客も大喜び

フルートの佐々木勤子さんらと届けた「ユーミン・オールディーズ」。女声合唱でよみがえる名曲の数々に観客も大喜び

 

素晴らしい歌声に盛んな拍手を送る観客

素晴らしい歌声に盛んな拍手を送る観客

 

 大渡町の女性(69)は「よくここまで練習されて。聞いていて涙がにじんだ。やっぱりコーラスっていいなあと思ってね」。自身も合唱団体に所属しており、「コロナが落ち着いたら、自分たちも活動していきたい」と心待ちにした。

 

 2013年に結成した同グループは年に1回のコンサートを継続してきた。昨年はコロナ禍で中止の判断を下したが、今年は観客、出演者、会場形態とあらゆる面を考慮した感染防止策を講じて開催。振り付け、衣装替えなどの演出もなくし、公演時間も通常より短縮した。

 

 「直前まで開催できるか不安だったが、無事にできて何より。音楽を聞く機会がなかったお客様が少しでも楽しみ、鬱々(うつうつ)とした気分を晴らしてもらえたなら幸い」と中村代表(38)。メンバーの約半数は市外在住のため、全員そろっての練習がなかなかできなかったというが、発表できた喜びにメンバーは充実の表情を見せた。

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