世界遺産「橋野鉄鉱山」を守ろう~市民らが高炉跡で環境美化活動~


2021/06/11
釜石新聞NewS #観光

橋野鉄鉱山の環境美化活動に励む参加者

橋野鉄鉱山の環境美化活動に励む参加者

 

 釜石市橋野町の世界遺産「橋野鉄鉱山」で5月29日、遺跡内の環境美化や保護意識醸成を図るイベント「みんなの橋野鉄鉱山」(市主催)が行われた。地元住民や釜石観光ガイド会員など25人が参加。草刈りや落ち葉集め、ごみ拾いを行い、見学環境を整えた。2015年7月に「明治日本の産業革命遺産」(8県11市23資産)の一つとしてユネスコの世界文化遺産に登録された同鉄鉱山。登録7年目の今年、市では引き続き、遺跡の保護と情報発信に努めていく。

 

 同イベントは、橋野高炉跡が国史跡に指定された1957(昭和32)年6月3日にちなみ、指定60周年となった2017年から開始。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止されたが、今年は感染防止策を講じて2年ぶりの開催となった。参加者は一番、二番高炉近くの水路跡を中心に雑草を刈り取り、落ち葉などを拾い集めた。見学順路の案内看板も新しくした。

 

清掃は一番、二番高炉付近の水路跡を中心に実施

清掃は一番、二番高炉付近の水路跡を中心に実施

 

水路の石垣の間から生える草を刈り、遺跡が見えやすいように整備

水路の石垣の間から生える草を刈り、遺跡が見えやすいように整備

 

 急な天侯悪化のため、清掃活動は30分ほどで終了。インフォメーションセンターに移動後、昨年6月に東京都新宿区に開館した「産業遺産情報センター」を紹介するDVDを観賞した。

 

 13年11月に開館した同鉄鉱山インフォメーションセンター(通常4月1日~12月8日開館)の入館者は、19年9月に10万人を突破。世界遺産登録された翌16年には台風10号被害で約2カ月半の休館、内陸からのアクセス路・県道釜石遠野線笛吹峠の復旧長期化で一時、入館者数は落ち込んだが、18、19年度は年間1万3千人台に回復。明るい兆しが見え始めた矢先、新型コロナウイルスの感染拡大、再度の笛吹峠通行止めなどの不運が重なり、昨年度の入館者は半減(5547人)した。

 

インフォセンターではDVDを観賞し、遺産の価値を再認識。保護意識を高めた

インフォセンターではDVDを観賞し、遺産の価値を再認識。保護意識を高めた

 

 橋野町在住で、同センタースタッフでもある中平春仁さん(73)は「コロナ禍ながら、5月の連休には1日100人以上訪れる日もあった。昨年から、県内の修学旅行生も増えている。早くコロナが収束して、より多くの人が来られるようになるといい」と願った。市世界遺産課では今後も感染症対策を講じながら、同鉄鉱山を含む鉄のまち釜石に親しむ行事を開催していく方針。

釜石新聞NewS

釜石新聞NewS

復興釜石新聞を前身とするWeb版釜石新聞です。専属記者2名が地域の出来事や暮らしに関する様々なNEWSをお届けします。

取材に関する情報提供など: 担当直通電話 090-5233-1373/FAX 0193-27-8331/問い合わせフォーム


釜石のイベント情報

もっと見る

釜石のイチ押し商品

商品一覧へ

釜石の注目トピックス