雨の中しっとりと五葉山山開き~安全祈願祭はコロナ対策で規模縮小


2021/05/07
釜石新聞NewS #観光

五葉山山開き

 

 釜石、大船渡、住田の3市町にまたがる本県沿岸の最高峰・五葉山(標高1351メートル)は4月29日に山開きが行われ、春の登山シーズンを迎えた。釜石、大船渡の市境となる赤坂峠登山口で行われた安全祈願祭は、新型コロナウイルス感染症予防のため規模を縮小して実施。あいにくの雨模様ながら、この日を楽しみにしていた登山愛好者のグループなどが元気に山頂を目指した。

 

赤坂峠登山口で行われた安全祈願祭

赤坂峠登山口で行われた安全祈願祭

 

 「昭和の日」の祝日に設定されている山開きは、3市町で組織する五葉山自然保護協議会(会長=野田武則釜石市長)が主催。神事には例年、約200人が集まるが、今年は関係機関の代表と一般登山客合わせ約70人規模で行われた。五葉山神社の奥山行正宮司が祝詞を奏上。各代表が玉串をささげ、登山者の安全を祈った。釜石市の晴山真澄副市長が野田市長のあいさつを代読した。

 

関係者が神前に玉串をささげ登山者の安全を祈った

関係者が神前に玉串をささげ登山者の安全を祈った

 

 釜石岳友会メンバーの菅野愛子さん(74)は会の仲間と参加。出発前、「気分的には上がっているが、雨がねぇ~。これ以上降らないでくれれば」と願った。登山歴約50年。五葉山には年に3、4回は登るといい、「ツツジやシャクナゲ、固有種のゴヨウザンヨウラクなどきれいな花を見るのが楽しみ」と笑顔を輝かせた。

 

コロナ禍2年目の山開きの神事は例年より少ない人数で

コロナ禍2年目の山開きの神事は例年より少ない人数で

 

 五葉山自然公園保護管理員の松田陽一さん(57)=釜石市=によると、今年は雪解けが早く進み、赤坂コース登山道上に残雪はほぼ無いが、山頂東側「日の出岩」周辺には若干残っているという。同山の登山コースは主に5つ。「日当たりのいい山の南側は早く解けるが、釜石市甲子町大畑から上がる楢ノ木平コースは例年遅くまで雪が残る」と注意を促す松田さん。9合目にある山(避難)小屋「石楠花(しゃくなげ)荘」利用時にはコロナ対策の換気をし、最後に出る人が必ず窓を閉めることも呼び掛けた。

 

神事の後、さっそく山頂を目指す釜石の山岳グループ

神事の後、さっそく山頂を目指す釜石の山岳グループ

 

 同小屋は老朽化への対応として、3市町の負担金と寄付金により2018年に建て替えられた。改修を訴え、16年から活動してきた「五葉山石楠花荘改修促進協議会」は署名・募金活動を継続的に行い、実現に大きく貢献した。促進協会長を務めた釜石山岳協会顧問の市川滋さん(73)は「断熱材が入り、以前よりかなり快適。ごみの持ち帰りやトイレを汚さないなどのマナーを守って利用してほしい」と願う。

 

 五葉山は1966年、県立自然公園に指定され、登山道整備や山小屋の維持・管理が続けられる。山頂からはリアス式海岸や早池峰山、奥羽山系の山々を展望できる。春から夏にかけては、ツツジやシャクナゲの花が咲き、登山者を出迎える。

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