再建飲食店街 11月開業へ、大和リース 市有地活用で協定〜中心商店街活性化へ 民間アイデア、ノウハウ生かす
提供協定を交わした野田市長と大和リース岩手支店の池田支店長(右)
釜石市の中心市街地に飲食店街の再建を目指す市と、商業施設などの開発を手掛ける大和リース岩手支店(池田康二支店長)は24日、市有地活用事業に関する基本協定を結んだ。同社は仮設店舗で営業する被災事業者などに入居を呼びかけ、現在10店舗が検討しているという。計画する18店舗にはまだ満たないものの、今後も募集を継続。池田支店長は「多少規模を縮小してでもスタートさせたい」と意気込む。忘年会シーズンを控えた今年11月下旬の開業を目指す。
市は、民間事業者のアイデアと経営ノウハウを生かして飲食店街を整備し、市中心部のにぎわいと魅力ある都市空間を創出する考え。市役所で行われた締結式で調印書に署名した野田武則市長は「被災した飲食店の再建を後押しするため、事業を円滑に進めたい」とあいさつ。池田支店長は「再建に悩んでいる事業者も多いが、思いを形にできるよう努め、釜石を盛り上げていきたい」と意気込みを示した。
計画によると、大町の約1170平方の市有地を活用し、鉄骨平屋の建屋(約448平方メートル)を整備する。18店舗の入居を予定し、約20~60平方メートルまで5つのタイプを用意。被災事業者の家賃は1坪(3・3平方メートル)当たり1カ月5200円とし、居酒屋に加え、ラーメン、すし店、定食屋なども想定する。投資額は約1億円を見込み、6月下旬にも着工、10月下旬の完成を目指す。
再建飲食店街のイメージ=大和リース提供
全国約150カ所で複合商業施設などを展開する同社は昨年6月、市有地活用事業へ向けて釜石市が公募した事業者に応募し選定された。同社はその後、市内の仮設店舗などで営業する数十の事業者を訪れ、説明会も開くなど入居を呼びかけてきた。入居を検討している事業者には、大町で被災した「呑(の)ん兵衛横丁」の事業者も多く含まれるが、高齢化や資金不足などを理由にためらう事業者もいるという。
入居者の1次募集締め切りは2月末としているが、3月以降も継続する方針。「被災事業者に限らず、新規出店も呼びかけ、魅力ある飲食店街にしていきたい」としている。
(復興釜石新聞 2016年2月27日発行 第465号より)
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