夢舞台での勝利へ決意、センバツ出場の釜石高野球部〜「全力プレーで支援に感謝」誓う
センバツ出場決定を野田市長に報告する釜石高野球部の菊池主将、岩間投手ら
兵庫県西宮市の甲子園球場で3月20日から行われる第88回選抜高校野球大会に21世紀枠で出場が決まった釜石高野球部の菊池智哉主将(2年)、エースの岩間大投手(2年)らが3日、釜石市役所に野田武則市長を訪ね、出場を報告。夢舞台での健闘を誓った。
佐々木偉彦監督、小谷地太郎部長、互野恭治校長が同行。菊池主将は「大会まで期間は短いが、意識を高めて全体の力を上げ、甲子園で勝ち上がれるチームをつくりたい」と意気込みを示した。昨年秋の県大会、東北大会を一人で投げ抜いた岩間投手は「甲子園ではたくさんの人が見てくれる。全力プレーで感謝の気持ちを伝えたい」と誓った。
釜石のセンバツ出場は、釜石南時代の1996年以来ちょうど20年ぶり2度目。同校OBでもある野田市長は「市民の総力を挙げて応援したい。21世紀枠の意味を考え、甲子園では全力を尽くし、震災で全国から寄せられた支援への感謝の気持ちを発信してほしい」とエールを送った。
これまで4回、甲子園を訪れたことがあるという佐々木監督はセンバツ出場決定を受け、近く甲子園を下見に訪れる予定。「今回は21世紀枠で選ばれ、自分たちの力で出られるわけではない。甲子園で勝てる力をつけて大会に臨めるよう、しっかりと準備したい」と気を引き締める。
試験期間中の2日から14日までは部活動ができないため、練習を休み勉学に集中。15日から練習を再開する。今月21日から28日まで、釜石市の姉妹都市である愛知県東海市で合宿。さらに3月上旬には関西で2次合宿を行い、3月11日に大阪で行われる組み合わせ抽選会に臨む。
釜石高の20年ぶりセンバツ出場決定を受け、甲子園出場後援会が1月30日、設立された。遠征や応援費などとして5千万円を目標に、同窓生などに募金を呼びかける。
設立総会で、互野恭治校長は「学校の力だけではどうすることもできない。みなさんの力を借り、万全の態勢で甲子園に送り出したい」と協力を求めた。
ともに同校OBの野田武則市長が名誉会長、大槌町の平野公三町長が名誉副会長に就任。会長には同窓会の神林知明会長を選び、PTA会長、野球部後援会長、同OB会長ら9人が副会長として支える。野田市長は「市民挙げた応援に全力を尽くしたい」と述べた。
募金は、全国に約3万人がいる同窓生を中心に文書で呼びかけ、生徒の保護者については希望者に限って受け付ける。日本高野連の規定があり、「広告や寄付については地元商店街やOBなどが商業目的で便乗しないよう注意してほしい」としている。
センバツ大会では、1、2年生が応援バスで甲子園に向かう。卒業式を終えている3年生は自由応援とする。
募金について問い合わせは釜石高の事務局(電話 0193-23-5317 / FAX 0193-23-8611 )へ。
(復興釜石新聞 2016年2月6日発行 第459号より)
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