震災テーマに創作劇上演、鵜住居小学習発表会〜人、世代、地域をつなげる力に
小学校最後の学習発表会で、復興への思いを込めた劇を演じた6年生
鵜住居小(村上清校長、児童169人)の学習発表会は17日、仮設校舎で開かれ、6年生43人が震災をテーマにした創作劇を演じた。音楽を通して被災地を元気づけようと行動する人々の物語で、人、世代、地域をつなげる音楽の力や行動することの大切さを表現。「『立ち上がった』って、胸を張って生きていきたい」と復興への思いを訴え、保護者らから大きな拍手を受けた。
本年度の学習発表会のスローガンは「鵜小魂で全校の心を一つに感動を届けよう」。鵜小虎舞で幕開け、各学年が劇や合奏などで日ごろの学習の成果を披露。全校児童で「あしたははれる」などを大合唱し、元気な歌声を響かせた。
6年生の劇は、釜石と復興を考える総合学習で取り組んだ。被災地でライブハウス建設を目指したプロジェクト「東北ライブハウス大作戦」の実話を基に、自分たちの成長をつなぎ合わせた物語。台本は教諭3人と児童が協力して練り上げ、「ボクたちの歌―今、立ち上がるとき」という約35分間の劇にまとめた。
児童の中には仮設住宅で暮らし、通学に1時間もかかる子もおり、日々の生活はなかなか落ち着かない状態。震災からもうすぐ5年だが、まだ復興の途中で、自分たちも含め多くの市民が我慢し、苦しい思いをする日々が続く。そんな市民や自分たちが笑顔になるよう、そして「がんばろう」と思ってもらおうと、6年生は小学校最後の学習発表会で熱演。「(劇を通じ)『もうだめだ』ってあきらめない心を学んだ。立ち上がり、行動することが釜石の復興につながると信じている」と締めくくった。
実行委員長の八幡大夢(ひろむ)君(6年)は「震災の時は1年生で、本設の校舎で過ごした最後の学年。家も被災し、仮設住宅でも暮らした。これまでの経験を入れた劇で、みんなで必死にやったから最高の劇になったと思う。全力出しきった」と充実感をにじませた。
担任の片山直人教諭(43)は「子どもたちは多くに支えられているが、自分たちの住む地域は被災地で、自分たちも復興を担っていく一人であると立ち上がるきっかけになれば」と語った。
(復興釜石新聞 2015年10月21日発行 第429号より)
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