熱投岩間 延長力尽きる 釜石強豪東北(宮城)にサヨナラ負け、秋季東北高校野球
第68回秋季東北地区高校野球大会に駒を進めた釜石(岩手県第2代表)は11日、青森市営球場で行われた2回戦で東北(宮城県第2代表)と対戦。延長十二回に及ぶ熱戦の末2―3で惜しくもサヨナラ負けし、20年ぶりのセンバツ出場の夢は絶たれた。釜石は九回にスクイズで追いつく粘りを見せたが、延長では好機をつくれず、好投の岩間大(2年)を援護できなかった。敗れたとはいえ強豪の東北を相手に互角の戦いを演じ、スタンドを埋めた高校野球ファンにさわやかな印象を残した。
▽2回戦
釜 石
100000001000 2
010010000001× 3 (延長十二回)
東 北
(釡)岩間―大尻
(東)深町、熊谷―布施
▽二塁打 佐藤(東)
延長十二回裏、東北の攻撃。2死二塁から投じた初球のスライダーを左前に運ばれ、地区予選から8戦連続完投で快進撃をけん引してきたエース岩間の戦いは終わった。「こんなに悔しい思いをしたことはない。3点目を取られたのは自分の甘さ」。淡々と試合を振り返る言葉に無念がにじんだ。
東北の強力打線を相手に力投する岩間投手
「センバツに出場するため決勝の舞台に立つ」と自分を奮い立たせ、初戦のマウンドに上がった。しかし、得意のスライダーが曲がらず、チェンジアップも高めに浮き、思い通りの投球ができない。県大会後に肘痛が再発し、投げ込み不足だったことが響いた。
「不格好で、がむしゃら。ここでという場面で必ず点を取り、投げては相手打線を何とか抑えてくれる」。佐々木偉彦監督は岩間の力をこう表現する。1点をリードされたまま迎えた九回の攻撃。しぶとく中前に運び、同点のベースを踏んだ。結果的に敗れはしたが、佐々木監督は「まさに釡高魂を体現してくれた」と岩間の奮闘をたたえた。
釜石—東北 九回表、釜石は1死一、三塁から石崎がスクイズを決め2—2の同点とする。三走は岩間
組み合わせで初戦の相手が東北と決まると、釜石ナインは「ヨッシャー」と沸いたという。「ウチは出場18チーム中18番目のチーム。21世紀枠など考えず、どこがきてもチャレンジするしかない」と佐々木監督。強豪を相手に、初回に中軸打線の積極的な連打で先制。「競って勝つ」と臨んだ通りの展開になったが、「結局、勝てなかった。まだまだ力不足」と認めた。
センバツ出場を願い声援を送る父母会
スタンドでは釜石から駆け付けた選手の父母や野球部OBら約50人が応援に声をからしたが、センバツ出場の願いは叶わなかった。父母会長で岩間投手の父、金田茂さん(47)は「同点に追いついたときは、またミラクルかと思ったが、やはり甘くはなかった」と肩を落とした。
(復興釜石新聞 2015年10月14日発行 第427号より)
復興釜石新聞(合同会社 釜石新聞社)
復興釜石新聞と連携し、各号紙面より数日の期間を設け記者のピックアップ記事を2〜3点掲載しています。問い合わせ:0193-55-4713 〒026-0044 岩手県釜石市住吉町3-3