釜石地方森林組合が消防団協力事業所に 団員出動への理解、資機材提供で地域防災力向上に貢献


2026/08/25
釜石新聞NewS #防災・安全

「釜石市消防団協力事業所」の交付書と表示証を手にする釜石地方森林組合の野田武則代表理事組合長(中右)と久慈雄一副参事(右)

「釜石市消防団協力事業所」の交付書と表示証を手にする釜石地方森林組合の野田武則代表理事組合長(中右)と久慈雄一副参事(右)

 
 釜石市は市消防団協力事業所に片岸町の釜石地方森林組合(野田武則代表理事組合長)を認定した。同組合は職員の消防団活動に理解を示し、災害時には所有する資機材などを提供。今後、消防機関と連携しながら、さらなる地域防災力強化へ力を発揮していきたいとしている。同組合の認定で、市内の消防団協力事業所は15となった。
 
 18日、同組合事務所で、協力事業所表示証交付式が行われた。市と組合から13人が出席。平松福壽副市長が野田代表理事組合長に交付書と表示証を手渡した。平松副市長は「昨年、今年と近隣自治体で大きな山林火災が発生し、消防団の重要性、ありがたみを一層感じているところ。森林組合の皆さまには当市の山林火災などにおいても多大なご支援をいただいてきた。今回の認定は防災行政、さらには森林行政においても安心材料となる」と引き続きの協力を願った。
 
平松福壽副市長が野田組合長に交付書と表示証を伝達

平松福壽副市長が野田組合長に交付書と表示証を伝達

 
表示証は2028年7月まで有効(更新可能)。組合事務所に掲示する

表示証は2028年7月まで有効(更新可能)。組合事務所に掲示する

 
 同組合は、消防団に所属する職員が勤務中に消火活動に出動する際は出勤扱いとしている。災害時には所有する資機材などを消防団に提供。火災時には敷地内にある私設の防火水槽を消防団や消防署が使用できるようにしている。この他、県が定める森林保護(林野火災防止)ボランティア活動で管内を巡視。2017年の尾崎半島林野火災では、消防隊員に対し現場の道案内を行った。21年には、災害現場での倒木処理技術向上を目的とした消防団員のチェーンソー研修会で組合職員が講師を務めた。
 
2021年11月に開かれた消防団員対象のチェーンソー研修会。釜石地方森林組合の職員5人が講師を務めた

2021年11月に開かれた消防団員対象のチェーンソー研修会。釜石地方森林組合の職員5人が講師を務めた

 
消防団員は機材の組み立て方から樹木の切断の仕方まで必要な知識と技術を学んだ

消防団員は機材の組み立て方から樹木の切断の仕方まで必要な知識と技術を学んだ

 
 同組合事業課技師補の菅原寛二さん(24)は2024年から市消防団第1分団第2部で活動。勤務中の出動経験はまだ無いが、「いざという時は消火活動に送り出してもらえる態勢が整っている」と話す。今回の認定を「地域のために貢献している事業所の証しになる」と喜び、「職場からも消防団員になる方が増えてくれれば。団員が減っているので、少しでも若い人たちに入ってもらいたい」と願う。近年は山林火災や地震津波、豪雨災害などで被害が拡大するケースが増加。「有事の際にいち早く現場に駆け付けられるのが消防団。少しでも自分が住む地域に貢献できれば」と気を引き締める。

 
表示証交付式には組合から5人が出席。消防団員の菅原寛二さん(写真下、左から3人目)も同席した

表示証交付式には組合から5人が出席。消防団員の菅原寛二さん(写真下、左から3人目)も同席した

 
 同市の消防団員は8月1日現在で498人(うち機能別団員82人)。人口減や高齢化などに伴い、団員数は減少傾向が続く。地域防災力を維持するには市内企業の理解と協力が不可欠。市は、就業時間中の消防団活動に積極的に配慮し、災害時に資機材提供などを行う事業所を「消防団協力事業所」として認定。団員の活動環境を整備することで、新規入団の促進、地域連携による防災力強化につなげたいとしている。協力事業所は表示証の掲示やホームページでの公表などで、社会貢献企業として認知してもらえるメリットがある。
 
 同市では団員の高齢化が顕著で、若年世代の加入をいかに増やしていくかが大きな課題。釜石消防署の菊池博文署長は「本年度から5カ年の第6次市総合計画後期基本計画では、20~30代の消防団員の割合を33.3%まで引き上げることを目標とする。人数で言うと60人ぐらい必要。ぜひ、若年層の協力をお願いしたい」と加入を呼びかける。同市消防団の入団要件は18歳以上で、市内に居住または勤務する健康な人。団員には報酬や各種手当が支給される。

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