スタートから38年 今年で最後 かみなかしまフェスティバル 夏のにぎわいに惜しむ声

大勢の来場者でにぎわった第33回かみなかしまフェスティバル=23日夕
釜石市西部地区の夏の夜の一大イベント、かみなかしまフェスティバル(同実行委主催)が23日、上中島町のサンパルク・サンデー駐車場で開かれた。1989(平成元)年にスタートした同フェスは今回で終了することが発表され、訪れた人たちからは惜しむ声が聞かれた。
同フェスは上中島商店会(千葉博規会長、36店)が実行委を組織して開催。飲食の出店と音楽や郷土芸能、ダンスなどのステージ発表を組み合わせたイベントで、毎回大勢の客を集めてきた。東日本大震災や新型コロナウイルス感染症の影響で、中止を余儀なくされた年もあり、開催数としては今回で33回目となった。

オープニングを飾った神愛こども園のマーチング。旗を使った演技を披露
オープニングを飾ったのは地元の神愛こども園(高橋仁美園長、園児28人)の年長児8人。カラーガードを取り入れたマーチングを披露した。同園は長年、同フェスの開会を盛り上げてきた。高橋園長は「今年で最後と聞いて寂しい限り。年中の子たちも来年を楽しみにしていたので…」。同園では秋の運動会での披露を目指し、年長児がマーチングに取り組む。フェスは園児らの1回目の目標。「のびのび、堂々と発表してくれた。楽しんでいる様子が見られてうれしい」と高橋園長。

上中島こども園の3~5歳児クラスの園児はかわいらしい衣装で“ラーメン体操”を披露
上中島こども園(楢山知美園長、園児31人)は3歳以上の17人が歌とダンスを披露した。ラーメンどんぶりの帽子をかぶった“ラーメン体操”では、曲に合わせて元気に体を動かした。大人のジャズバンド「トライデント」は心地良い音楽を奏で、夕涼み気分の来場者に届けた。ステージ発表には計7団体が出演し、夏の夜のひとときを盛り上げた。
会場には同商店会が出した焼き鳥、焼きそば、綿あめ、かき氷の出店と、お好み焼きやラーメンのキッチンカーが並んだ。子どもたちを喜ばせるくじ引きの店も。計12店が出店し、来場者のお腹と心を満たした。家族連れや仲間同士でテーブルを囲み、飲食をしながら多彩な発表を楽しんだ。

まつりの定番、焼きそばは大人気! 調理に精を出す実行委のスタッフら

各店の前には好みのメニューを求める人たちが列を作った

「何が当たるかな?」 いろいろなおもちゃが並ぶくじ引きの店は子どもたちで大にぎわい
釜石中3年の堤樹希さん(15)は友人3人で来場。毎年来ているといい、「今年で最後は悲しい。人がいっぱい集まって、めっちゃ楽しいイベントなので」と残念そう。それでも気分が高揚するひとときは相変わらずで、中学校生活最後の夏に楽しい思い出を心に刻んだ。

「かみなかフェス、楽しいー!」。笑顔いっぱいの中学生ら
「今年最後と聞いたので…」と向定内から足を運んだのは藤原京子さん(81)。お目当ては女形舞踊で人気を集める尚玉泉さんのステージ。「追っかけです」と自称し、友人らと踊りを楽しんだ。同フェスには過去にも複数回来場。「ホットな時間。気持ちが温まるよね」と笑顔を広げた。

ジャズバンド「トライデント」(写真上)、尚玉泉さんと舞踊仲間(写真下)のステージ

釜石の女形舞踊といえばこの人! 尚玉泉さんはどこに行っても大人気
長い歴史を重ねてきた同フェスには2世代、3世代で足を運ぶ家族連れも。八雲町の井上里咲さん(35)は「自分も子どもの頃から親しんできたので、なくなるのはとても寂しい。これだけ人が集まるのはやはり地域密着のまつりだからではないか」と改めて実感。「子どもたちも毎年楽しみにしてきた」と家族の思い出作りの場に愛着をにじませた。

虎舞の「尾崎青友会」は白虎と黄虎が競演。釜石人の魂をゆさぶる舞に観客の目がくぎ付け

辺りが暗くなってくると演舞にスポットライトが当てられ、幻想的な雰囲気に
商店会の各店舗は代替わりし、同フェス開始当初を知る人は少なくなった。千葉会長(70)は「隣町のスーパーでやっていた夜市をヒントに始まったのがこの催し。当時はサンパルクの向い側にボウリング場があり、玄関階段をステージにカラオケ大会もやった」と懐かしむ。昼と夜の2部に分け、隣の上中島グラウンドを会場に新日鉄アパート(当時)の屋上から“○×クイズ”をやったことも。東日本大震災後は同グラウンドに仮設住宅が建ち、多くの被災者が暮らした。同フェスに足を運ぶ姿も見られ、「大変な中、少しでも心安らぐ時間になったのではないか」と振り返る。「地域の皆さんが楽しんで、盛り上がればとの思いでやってきた」が、来年以降は会場確保など不確定な要素があるため、今回で一区切りとすることを決めた。

釜石新聞NewS
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