また旅に行きたくなる!?「またたび書店」 釜石大観音仲見世通りで営業中 朗読会も

旅や地域、場所にまつわる本が並ぶ「またたび書店」
釜石市大平町の釜石大観音仲見世通りに、旅をテーマにした本が並ぶ小さな書店がある。その名は「またたび書店」。店主は、同通りでコワーキング・シェアオフィスを運営する一級建築士の宮﨑達也さん(54)。「読むとまた旅に行きたくなる。そんな本を集めた書店」と言って笑う。
書店は、コワーキング・シェアオフィス「co-ba kamaishi marudai(コーバ・釜石・マルダイ)」の1階にあるギャラリースペースを活用する。広さは約30平方メートル。国内外のさまざまな土地の紀行やエッセー、小説など新刊、古本を合わせて計約600冊がずらりと並ぶ。

釜石大観音仲見世通りの一角で営業している小さな本屋さん

本選びを楽しむ女性。旅に出たような気分になれるかも!?
店内はこぢんまりとしているが、ソファーや椅子が置いてあり、「座り読みOK!」との貼り紙も。マスコットキャラクターの「本屋のねこ」をデザインしたトートバッグなどのグッズや、同通りにあるカフェのドリップバッグコーヒーも販売する。

店主のおすすめ本やドリップコーヒー、本屋オリジナルグッズも並ぶ
オープンは今年の3月11日。三重県出身の宮﨑さんは東日本大震災の復興に携わるため来釜したのを縁に、2018年にコーバ釜石をオープンさせた。同通りはかつて20店舗以上が軒を連ねたが、震災後には稼働ゼロに。空き家や2階の住宅利用のみとなっていた。大観音は市内の観光スポットでもあり、「このエリアのにぎわいを取り戻そう」と思い立ち、三重に建築事務所を構えつつ、釜石との二地域居住(二拠点生活)を続ける。

「本を読みながらゆっくりしていって」と店主の宮﨑達也さん
同通りで生活しながら、再び人の行き交う場にしようと各種イベントも手がけ、約10年見つめている宮﨑さん。大観音を訪れる観光客や、近くにある「みちのく潮風トレイル」のコースをたどるハイカーらの姿を見かけることもあり、「この地を訪ねてくれた人たちが立ち寄れる場所をつくりたい」と、書店の開業に踏み切った。
「旅先や移動中に本を読むと、あとから旅と読書の思い出がリンクする。旅で訪れたことのある土地の本を読むと、その時の思い出がよみがえることも。本を読むと旅に行きたくなるのは、そんな記憶の作用かも」と宮﨑さん。
7月18日には、詩人で作家のドリアン助川さんによる朗読会をコーバ釜石で開いた。震災後に釜石であったある企画展示を通じて親交を深めたドリアンさんと宮﨑さん。書店オープンを聞き、お祝いも兼ねて快く来釜してくれたのだという。ドリアンさんは、最新刊「動物哲学物語 ナイス実在」(6月26日刊行)の中からインド水牛をテーマにした自然の摂理や思想を盛り込んだ物語「寄り添う心」などを情感たっぷりに聞かせた。

書店が入る建物の2階で開かれた朗読会

朗読会の参加者と交流するドリアン助川さん
地元釜石のタレント養成所のレッスン生や、宮﨑さんも参加する劇団もしょこむの団員らによる朗読も。もしょこむが披露したのは、またたび書店のキャラ、本屋のねこ・コーシローを主人公とした物語で、宮﨑さんが脚本を手がける。この日は、1話目をプレ公開。今後、全10話(予定)で仕上げ、秋頃にラジオドラマ風にユーチューブで配信することにしている(らしい)。
店名は「また旅に」という思いを込めた言葉遊び的な名づけだが、諸国を歩きまわることを意味する「股旅」という要素も含む。さらに、同通りでは「猫に出合う」ことも“たびたび”。猫が夢中になるという植物マタタビも、その一部分になるのだとか。この場所にちなんだいくつもの視点を組み合わせた命名に宮﨑さんのユーモアがあふれる。

本を通した交流が芽吹き中!「えんむすびのタネ」もどうぞ
大観音は「恋人の聖地」に選定されていて、人のつながりや縁を広げる場所として魅力が上乗せ。宮﨑さんは「気軽にお立ち寄りを。そして、ゆっくり本を読んでもらえたら。良い本とのご縁がありますように」と期待を込める。朗読会のようなイベントも「たまには」。本業の傍らでの書店運営なので、「気が向いたら」と目を細めた。

味わいのあるキャラクター「本屋のねこ」がお出迎え
またたび書店は「店員が旅に出がちなので」として、無人販売が基本。気になった本を選び、設置されているセルフレジ機で支払う仕組みとなっている。支払いはキャッシュレス決済のみ。営業時間は午前9時~午後7時で、年中無休。詳しくはサイト(https://matatabibooks.hp.peraichi.com/)で確認を。

釜石新聞NewS
復興釜石新聞を前身とするWeb版釜石新聞です。専属記者2名が地域の出来事や暮らしに関する様々なNEWSをお届けします。取材に関する情報提供など: 担当直通電話 090-5233-1373/FAX 0193-27-8331/問い合わせフォーム











