サイズ、脂のり手応え 「釜石はまゆりサクラマス」今季初水揚げ 養殖事業で活性化


2026/05/28
釜石新聞NewS #地域 #産業・経済

釜石湾で養殖されたサクラマスを水揚げする泉澤水産の社員

釜石湾で養殖されたサクラマスを水揚げする泉澤水産の社員

 
 釜石市東前町の泉澤水産(泉澤宏代表取締役)は25日、釜石湾で養殖する「釜石はまゆりサクラマス」を今季初めて水揚げした。サイズ、脂のりも「よし」とPR。昨季の1.5倍以上となる約400トンの生産を見込み、地元水産業の活性化につなげる。
 
 午前5時頃、湾内に設置したいけすから約3トンを積み込んだ漁船が同市魚河岸の市魚市場に到着。同社の社員ら約20人が水揚げと選別作業を手早く進めた。体長50~60センチ、平均の重さは2キロ未満で、1キロ当たり700~880円で取引。地元の水産加工業者、県内外のスーパーやすし店に流通する。
 
漁船から釜石市魚市場に水揚げする社員

漁船から釜石市魚市場に水揚げする社員

 
仕分け作業は自動重量選別機を使って効率化

仕分け作業は自動重量選別機を使って効率化

 
 この日は魚の大きさなどを確かめる“プレ出荷”としての水揚げで、本格的にスタートするのは6月に入ってから。水温などを考慮しながら7月後半まで20回程度を予定する。
 
 「去年よりサイズが少し大きい」と感触を話したのは同社代表取締役の泉澤さん(64)。今季はいけす2基に稚魚約28万尾を入れ、密度を高めて育てている。「投入時、200グラムに満たないものだったから少し心配したが、いい誤算。高水温を見越して早めに出荷としたが、思っていたより水温は低め。低水温だと餌を食べないが、今年は食べた」と、手探りながらも順調な成育ぶりにほっとした様子。3キロほどに成熟した魚体もあり、本格化するシーズンに期待を高める。
 
市場を活気づけた釜石湾産の「はまゆりサクラマス」

市場を活気づけた釜石湾産の「はまゆりサクラマス」

 
 試食会もあり、刺し身で味わった関係者らは「うまい」「いくらでも食べられる」と評価。「脂が身全体にのっているのに、さらりとした味わいが特徴。いい仕上がり」とうなずく泉澤さん。釜石地域では「ママス」の名でなじみのある日本の在来種のサクラマスに「希少性」を見いだし、増産を計画する。将来的には500トンを目指すとし、「知名度が高まり、ニーズが広がってくれたら。刺し身でも焼いてもうまいサクラマスを全国の皆さんに食べてほしい」と話した。
 
水揚げ後に開かれた養殖サクラマスの試食会。刺し身で味わう

水揚げ後に開かれた養殖サクラマスの試食会。刺し身で味わう

 
「いい仕上がり」とPRする泉澤代表取締役(左)、小野共市長(中)ら

「いい仕上がり」とPRする泉澤代表取締役(左)、小野共市長(中)ら

 
 同社は市、岩手大などとコンソーシアムを構成し、2020年から試験養殖を開始し、22年に事業化。種苗生産を自社で賄い、安全供給を実現する。環境負荷の小さい養殖業に与えられる国際認証(ASC)も取得。水産物の高付加価値化に取り組む。
 
 小野共市長は「近年の水揚げ量はかなり厳しいと認識。そうした中で海面養殖は釜石、岩手県の漁業に弾みをつけるものだ。全力で応援、バックアップしたい」と強調した。

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