「違和感」で架空料金請求詐欺防ぐ 釜石警察署、セブンイレブン中妻町1丁目店に感謝状


2026/05/25
釜石新聞NewS #防災・安全

釜石警察署の日山良則署長(右)から感謝状を受けたセブンイレブン釜石中妻町1丁目店の関係者ら

釜石警察署の日山良則署長(右)から感謝状を受けたセブンイレブン釜石中妻町1丁目店の関係者ら

 
 釜石警察署(日山良則署長)は19日、特殊詐欺被害を未然に防いだとして釜石市中妻町のコンビニ、セブンイレブン釜石中妻町1丁目店(中澤英樹オーナー)に署長感謝状を贈った。電子ギフトカードの購入金額が高額だったことに加え、常連客のいつもと違う買い物に「あれ?」と“違和感”を覚えたのが奏功。詐欺の手口が多様化する中、こうした店頭や窓口を通した異変への気づきが被害拡大の防止に貢献している。
 
 贈呈式は同店で行われ、当時対応した店員の真壁香利さん(32)に日山署長が感謝状を手渡した。日山署長は「的確な判断と迅速な声かけが水際の被害防止につながった。被害の恐れを把握するのは、警察だけでは難しい。これからも協力を」と期待した。
 
日山署長から感謝状を受け取る真壁香利さん(奥)

日山署長から感謝状を受け取る真壁香利さん(奥)

 
 同署によると、4月15日夜のはじめ頃、常連の50代男性が来店し、総額3万3000円分の電子ギフトカードを購入しようとした。特に慌てた様子もなく普段通りだったと振り返る真壁さん。「高額だし、カードを買うのを見たことがない」と不審に思った。
 
 扱い方も分からない様子だったことから使用目的を尋ねると、男性はスマートフォンに届いた「多額の支援金を受け取れる。そのためには手数料が必要」といった内容が記されたメールを見せたという。真壁さんは「これ絶対に危ない。詐欺だ」と疑いを強め通報した。
 
 同店に急行した署員が真壁さんと客とのやりとりを確認し、詐欺の疑いを説明。購入を思いとどまった男性からさらに詳細を聞き出し、捜査する中で、架空料金請求詐欺と判断した。
 
電子ギフトカードに触れながら当時の状況を振り返る真壁さん

電子ギフトカードに触れながら当時の状況を振り返る真壁さん

 
 真壁さんは「自分の力で防ぐことができ、安心できたなというのが正直な気持ち」と表情をやわらげた。日ごろの客との会話や交流が異変を察知するのにつながったと改めて感じたようで、「これからも勇気を出して声かけしたい」と背筋を伸ばした。
 
 今回の声がけ対応や通報の流れは店内ですでに共有している。同店ではこれまでも複数回、詐欺被害を阻止しているといい、中澤オーナーは「(詐欺は)コンビニで食い止めなきゃ。最後のとりでだと思って」と力を込めた。
 
レジ近くにも陳列されている電子ギフトカード(レジの左横)

レジ近くにも陳列されている電子ギフトカード(レジの左横)

 
なじみの客と言葉を交わす真壁さん。「気づきを大事にしたい」

なじみの客と言葉を交わす真壁さん。「気づきを大事にしたい」

 
 岩手県内でみると、今年の特殊詐欺認知件数は4月末現在で94件(前年同期比35件増)、被害額は6億1617万円(同比2億7023万円増)。SNSのやりとりで架空の投資話などに引き込む「SNS型投資詐欺」「SNS型ロマンス詐欺」、電子ギフトカードを使うケースも増えている。
 
 釜石署管内で今年認知された特殊詐欺の発生件数は1件(SNS型ロマンス詐欺被害)。また、「公共料金(電気代やガス代など)が安くなると勧誘された」といった相談は、詐欺の可能性があるものを含め日々寄せられているという。同署は「電話やメールでお金の話が出てきたら詐欺。一人で悩まず、不安な時は迷わず警察に相談を」と呼びかけている。

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