山の春到来! 橋野鉄鉱山で“2大”石割桜見頃 インフォセンター周辺の桜ロードもおすすめ

「橋野鉄鉱山」高炉場跡の山神社エリアに自生する“石割桜”=24日午前撮影
釜石市内の山々では市街地より遅れて、各種桜が見頃を迎えている。橋野町青ノ木の世界遺産「橋野鉄鉱山」とその周辺は自生するヤマザクラに加え、植樹したさまざまな桜が咲き出し、花色の濃淡が美しい景色を生み出している。高炉場跡にひっそりとたたずむのは、高炉の石組みの材料にもなった花こう岩に根を張る「石割桜」。隣接する国有林地にも同様の石割桜があり、自然の植物の生命力の強さを感じさせている。地元在住で、釜石観光ガイド会副会長の小笠原明彦さん(69)によると、今年の青ノ木の桜の開花は1週間ほど早いという。
三番高炉の東側、山神社の拝殿跡や山神碑、牛馬観世音碑が残るエリアに自生している石割桜は、花こう岩の上に3本のヤマザクラが根を張る唯一無二の姿を見せる。花こう岩は山神碑側から見て、横幅5.84メートル、奥行き4.37メートル(市調べ)の大きさ。桜の根は岩を抱えこむように伸び、岩の割れ目に沿って地面まで到達している部分も見られる。花の開花時期は例年5月初旬だったが、近年は春先の気温が高く、4月中の開花が続く。今年は21日ごろから咲き始め、24日時点で8分咲きまで進んだ。

花こう岩の上に3本のヤマザクラの幹がそびえる。岩の割れ目に桜の種が入り成長?

岩の上部は傾斜があるが、各方向にしっかりと根を伸ばす。晴れの日には青空にピンク色の花が映える
同所には今年、新たな見どころが加わる。石割桜がある場所からさらに斜面を上った先に見えるのが、昨年11月に発見された同鉄鉱山の「開山碑」。見学エリアの外側、国有林地内に鎮座する石碑は、同鉄鉱山の操業開始時期を解明する手がかりになるものとされる。見学エリア柵内から見ることができる。市は今年、同石碑の見学会も予定している。

石割桜からさらに斜面を上ると、昨年発見された「開山碑」を見ることができる(写真右)。コケを取り除いた垂直面の岩が開山碑。見学は柵の中から
もう一つの石割桜が見られるのは二番高炉の東側、国有林地の山肌の急斜面。昨年11月の育樹祭で倒木などの処理作業を行ったことで、その全容が見やすくなった。日光が届きやすい環境になったことも影響してか、今年は特に花色が美しい。二番高炉と石割桜を入れた写真の“映え”スポットとしても注目を集める。高炉場跡は昨年度から見学路と遺構標示の整備が進められていて、舗装された道は車椅子での移動が可能になっている。

二番高炉の東側、国有林地に見られる石割桜。岩には切り出そうとしたとみられるタガネの跡が残る。今年は特にも花色がきれい

一番高炉と二番高炉の間にある一本桜(写真右)とも花の競演!

昨年度整備された新たな見学路。舗装された歩道が三番高炉前まで続く
インフォメーションセンター周辺から高炉場跡に続く“桜ロード”も開花が進む。高炉場に向かって右側の道路沿いではソメイヨシノが開花していて、周辺の私有地に自生するヤマザクラと共に花色のグラデーションを楽しめる。同左側に連なる八重桜は大型連休中には開花しそう。橋野町振興協議会が行う恒例の八重桜まつりは5月10日に開催予定。

インフォメーションセンター駐車場から高炉場跡に向かう道路沿いは濃淡の花色が重なり、さらに美しい光景を生み出している
八重桜が囲む芝生広場では、2018年に震災復興支援の一環で植えられた「宇宙桜」が順調に花をつける。これは2008年、福島県三春町の“三春滝桜”の種をスペースシャトル・エンデバー号で国際宇宙ステーションに届け、日本のモジュール「きぼう」船内で若田光一宇宙飛行士とともに地球を回る旅をした桜。帰還した種を同町の小学生が育て、同市に贈られた。宇宙桜の周りにはドウダンツツジがハート形に植えられている。

2018年に植樹された“宇宙桜”(三春滝桜の子孫木)も開花。将来、大きく成長した枝垂れ桜になるのが楽しみ

宇宙桜は発芽から16年。順調に花芽を増やしている
小笠原さんは青ノ木の桜について、「ヤマザクラから八重桜の開花にかけ、2~3週間が桜のシーズン。石割桜は今年、周りの木々があまり目立たず、樹形や花がきれいに見えるのでおすすめ」とPR。インフォメーションセンターには毎日、観光ガイドが常駐しており、「遺跡や桜について話を聞きながら巡るとさらに楽しめる。ぜひ、山里の春を満喫しに足を運んでいただければ」と呼びかける。
山あいの気候は春でも朝晩の冷え込みがあり、花の開花が足踏みすることもある。訪れる前にインフォメーションセンターに問い合わせしてみるといいかも。橋野鉄鉱山インフォメーションセンターの電話番号は0193・54・5250(営業時間:午前9時半~午後4時半)。

高炉場跡のおまけの春景色。ハート形の葉が風に揺れるカツラの木(写真左上、右)。地面にはカタクリの花(写真左下)も…

釜石新聞NewS
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