釜石SW トウタイ・ケフ新HCのもと今季初戦 「釜石絆の日」ともだちマッチで静岡BRと


2025/10/01
釜石新聞NewS #スポーツ #地域

雨の中、プレシーズンマッチ初戦に挑む日本製鉄釜石SW(グレージャージー)と静岡BR(青同)=2025ラグビッグドリーム~釜石絆の日~

雨の中、プレシーズンマッチ初戦に挑む日本製鉄釜石SW(グレージャージー)と静岡BR(青同)=2025ラグビッグドリーム~釜石絆の日~

 
 ラグビーリーグワン2部の日本製鉄釜石シーウェイブス(SW)は9月20日、釜石鵜住居復興スタジアムで同1部の静岡ブルーレヴズ(BR)と対戦した。2019年のラグビーワールドカップ(W杯)釜石開催のレガシー(遺産)を継承する「釜石絆の日(9月25日)」記念イベントでの交流試合。両チームにとってプレシーズンマッチ初戦で、釜石SWは今季から指揮を執るトウタイ・ケフヘッドコーチ(HC)のもと、新チームの力を試す場となったが、27-81(前半3-36)の大差で敗れた。
 
 試合開始後、雨模様となったスタジアム。前半は静岡が先制トライ。若手を中心としたメンバーで臨む釜石は、7分にSO落和史のPGで3点を返すが、その後は防戦一方の苦しい展開。計5トライを許し、3-36と大きくリードされ、折り返した。
 
 悪い流れを断ち切りたい釜石は後半7分、今季新加入のCTBパウラ・マヘ、2年目のフランカー、アンガス・フレッチャーの素早いパス回しで敵陣に切り込むと、10メートルライン付近でボールを受けたWTB千葉健が独走。ゴール前で追い付いた相手にタックルで倒されながらも右手を伸ばし意地のトライを決めた(8-36)。静岡トライ直後の15分には、釜石キックオフのボールをWTB小野航大が走り込んでキャッチ。SH南篤志、ロック山田龍之介らがつなぎ、最後はプロップ髙橋璃玖が押し込みトライ。ゴールも決まって15-43とした。
 
フランカー、アンガス・フレッチャー(右)からパスを受け敵陣に切り込むCTBパウラ・マヘ(左)

フランカー、アンガス・フレッチャー(右)からパスを受け敵陣に切り込むCTBパウラ・マヘ(左)

 
後半7分、ゴール前で相手に倒されるもチーム初トライを決めるWTB千葉健

後半7分、ゴール前で相手に倒されるもチーム初トライを決めるWTB千葉健

 
相手得点直後のキックオフボールをキャッチ。攻撃の起点をつくるWTB小野航大(上)。ここからSH南篤志、ロック山田龍之介とつなぎゴール前に運ぶ

相手得点直後のキックオフボールをキャッチ。攻撃の起点をつくるWTB小野航大(上)。ここからSH南篤志、ロック山田龍之介とつなぎゴール前に運ぶ

 
後半15分、最後はプロップ髙橋璃玖が2人のタックルを左にかわしながらトライ

後半15分、最後はプロップ髙橋璃玖が2人のタックルを左にかわしながらトライ

 
 しかし、勢いは続かず…。釜石はスクラムの圧倒的強さや個々の選手のスキルで力の差を見せる静岡に5連続トライを奪われ、15-74と再び大きく突き放された。試合時間残り10分。“あきらめない釜石”を体現したのは38分。静岡の反則から敵陣5メートルライン付近のラインアウトに持ち込んだ釜石は、すぐさまモールを形成。ボールを投げ込んだ今季新加入のフッカー、ルル・パエアが最後尾で受け、左に抜け出しトライを決めた。終了間際の40分には、センターライン付近で相手がこぼしたボールをCTB齋藤弘毅が前方に蹴り出し、SH岡新之助タフォキタウが相手の意表を突き独走トライ。新加入の2人が的確な判断で得点につなげたが、反撃及ばず、27-81で敗れた。
 
後半38分、ラインアウトモールからフッカー、ルル・パエアがトライ

後半38分、ラインアウトモールからフッカー、ルル・パエアがトライ

 
後半40分、SH岡新之助タフォキタウが釜石4本目のトライ

後半40分、SH岡新之助タフォキタウが釜石4本目のトライ

 
 就任後初の対外試合を終え、ケフHCは「スクラムが一番の課題。ディフェンスも良くなかった。新体制での初戦、格上チームとの対戦であまり期待は高く持っていなかったが、残念な結果」と評価。「もっとアグレッシブに」「コンタクトエリアにもっとコミットを」と、果敢に攻め相手にプレッシャーをかける積極プレー、フィジカル向上の必要性を指摘した。ただ、シーズンは始まったばかり。「ここからさらに良くして、チームとして成長していきたい」と思いを強くした。
 
 ゲームキャプテンを務めたロック山田選手はケフHCの意向を受け、「コネクションを切らさない」ことを選手に伝えた。「悪くはなかったが、その一つ目の仕事、タックルやセットピースといったプレーの始まりのところが良くなかった。しっかり精度を上げて修正していきたい」。2011年の東日本大震災以降、釜石との継続的な交流試合で絆を深める静岡BRに対し、「1部のチームとシーズン開始時点で試合ができるのは本当にありがたい」と感謝。「今、ここでラグビーができているのは当たり前ではない。チームに対しての個々の責任、釜石でプレーする責任をしっかり果たしたい」とシーズン入りに際し、改めて気を引き締める。
 
 イベント会場では、オープニングアトラクションとして市内外の郷土芸能が披露されたほか、震災時に力を発揮した自衛隊などの「働く自動車展」も。予定されていたおもてなしイベントの一部は、雨が強まったため中止された。21日は中学生や高校生の交流試合が行われた。
 
2階スタンドデッキで披露された花巻市の「上根子神楽」

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自衛隊、警察、消防車両が集まる「働く自動車展」は人気の写真スポット。家族連れらが楽しんだ

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「絆の日」記念グッズも各種用意。ラグビーでつながるさまざまな交流の輪が広がった

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