硬式の雄「釜石野球団」2年連続東北大会出場へ 「楽しく勝つ」チーム 強さ証明へ選手ら一丸


2025/08/06
釜石新聞NewS #スポーツ

第49回全日本クラブ野球選手権岩手県予選で準優勝し、東北大会に出場する「釜石野球団」=写真:同団提供

第49回全日本クラブ野球選手権岩手県予選で準優勝し、東北大会に出場する「釜石野球団」=写真:同団提供

 
 釜石市の社会人硬式野球チーム「釜石野球団」(佐藤貴之監督、36人)は、9日に福島県で開幕する第49回全日本クラブ野球選手権第二次予選東北大会に、岩手第2代表として出場する。同大会での東北大会進出は2年連続。昨年逃した初戦突破を果たし、上位入りを狙う同団は、モットーの“楽しく勝つ”野球で新たな歴史を刻もうと気合十分。大会まで1週間を切った3日は滝沢市のチームと練習試合を行い、最終調整を図った。
 
 同大会の本県予選大会は6~7月にかけて行われ、19チームが参加した。釜石野球団は2回戦を11-3(対遠野クラブ)、準々決勝を5-2(対オール江刺)、準決勝を5-4(対久慈クラブ)で勝ち進み、31年ぶりの決勝進出を成し遂げた。決勝の相手は一昨年の東北大会覇者、水沢駒形野球倶楽部。昨年の準決勝で敗れているチームだけに「今年こそは」と挑んだが、0-6で敗れ準優勝。それでも上位3チームに与えられる東北大会出場権を獲得し、2年連続の進出を決めた。
 
 同団は20~30代の若手が主力。釜石出身、在住のメンバーが多いが、チームの雰囲気の良さやレベルの高さに引かれ、他地域からの加入も。定期練習は毎週水曜夜に行っているが、仕事や居住地の関係で人数がそろうことは少なく、各自で自主トレーニングを重ねながら力をつけている。
 
3日、釜石・平田公園野球場で行われた滝沢市のMKSI Baseball Clubとの練習試合

3日、釜石・平田公園野球場で行われた滝沢市のMKSI Baseball Clubとの練習試合

 
笑顔で東北大会前の調整に励む釜石野球団の選手ら

笑顔で東北大会前の調整に励む釜石野球団の選手ら

 
この日の先発は今季新加入の廣崎真樹投手(左)。投手陣には新たに3人が加わりパワーアップ

この日の先発は今季新加入の廣崎真樹投手(左)。投手陣には新たに3人が加わりパワーアップ

 
 今年は他チームからの移籍も含め9人が新たに入団。廣崎真樹選手(31)ら投手3人が加わったことで安定的なバッテリーが組めるようになった。チームの強みは打撃。“頼れる主砲”菅原昌也選手(27)は、今季も大会本塁打2本を放つなど長打の要。攻撃の起点リードオフマンとして期待されるのは乙津広大(27)、西澤直史(30)両選手。加えて今季、打撃が好調な小笠原雄聖選手(29)と、選手層の厚さでチームの得点力に磨きがかかっている。
 
長打力が最大の武器、菅原昌也選手は今季も打撃の中心として力を発揮

長打力が最大の武器、菅原昌也選手は今季も打撃の中心として力を発揮

 
リードオフマンとして活躍が期待される乙津広大選手(左)と西澤直史選手(右)

リードオフマンとして活躍が期待される乙津広大選手(左)と西澤直史選手(右)

 
県大会決勝では大事な場面で2安打を放った小笠原雄聖選手

県大会決勝では大事な場面で2安打を放った小笠原雄聖選手

 
 入団4年目の小笠原選手は、佐藤監督(56)いわく「追い込まれても粘りのバッティングでチャンスをつかむアベレージヒッター(巧打者)」。自身は「やっとみんなに追い付けた感じ」と控えめながら、「下位打線にいることが多いので、何らかの形で次につなげたい」と役割を全うする。今季は「特にもみんな勝負強い。大事なところでやるべきことをやっている」とし、3日の練習試合でも打線のつながりの良さを実感していた。
 
 守備の要は二塁手の三浦一樹(30)、遊撃手の伊藤康生(24)両選手。入団3年目の伊藤選手は試合中の積極的な声掛けが光る。「声を出して楽しく…がチームのモットーでもあるので」。昨年の東北大会では他チームのレベルの高さを感じつつも、「勝てなくもない」との感触も得た。「強豪が集まるが、食らいついて一つでも多く勝ちたい。守備からリズムを作って、1点勝負に持っていくような僅差の戦いができれば勝機はある」とみる。
 
球際の強さ、元気な声掛けでチームを支える伊藤康生選手

球際の強さ、元気な声掛けでチームを支える伊藤康生選手

 
3日も厳しい暑さが続いた釜石。選手らは水分、塩分補給など熱中症対策もしながら練習に励んだ

3日も厳しい暑さが続いた釜石。選手らは水分、塩分補給など熱中症対策もしながら練習に励んだ

 
 練習試合では新戦力の活躍も。久慈市出身の見年代星七選手(23)は地元へのUターンを機に釜石野球団に入団した。外野手だが、同郷の先輩団員から投球を教えてもらっていたことで、この日は投手としてもマウンドに。東北大会出場のタイミングで入団できたことに「すごくラッキー。もし、試合に出る機会があれば俊足を生かして得点にからんでいきたい」と気持ちを高ぶらせた。
 
期待の新星、見年代星七選手は久慈市から新加入。投手としての能力も開花?!

期待の新星、見年代星七選手は久慈市から新加入。投手としての能力も開花?!

 
 同大会は全国の硬式クラブチームが頂点を目指す最も大きな大会。昨年、27年ぶりの東北大会進出を果たした釜石野球団は「連続出場しなければ強さを証明できない」と、さらなる精進を重ねてきた。「みんな、勝ちたいという思いは強い。まずは打ち勝つこと。打って点を取ることが大事」と10年目の菅原選手。昨年の東北大会は福島第2代表のチームに9-6で敗れた。「得点力は申し分ない。あとはいかにエラーなどのミスを減らせるか」。最終目標の全国大会出場を脳裏に描きながら、チームの進化を望む。
 
チームを率いる佐藤貴之監督(左上)は選手の力を最大限発揮できるようメンバー構成

チームを率いる佐藤貴之監督(左上)は選手の力を最大限発揮できるようメンバー構成

 
「一戦必勝!」 2年目の東北大会出場に心を躍らせる釜石野球団メンバー

「一戦必勝!」 2年目の東北大会出場に心を躍らせる釜石野球団メンバー

 
 東北大会には6県から10チームが出場する。釜石野球団の初戦は9日午前8時半から、しらさわグリーンパーク(福島県本宮市)で行われる。相手は福島第3代表のALL北嶺。全国大会には上位3チームが出場できる。

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