釜石から夢かなえて! タレント養成所「C-Zeroアカデミー」4月開校へ 芸能界への道、自己実現を応援
11日に開かれた「C-Zeroアカデミー」の無料体験レッスン=TETTO
釜石市初のタレント養成所「C-Zero(シーゼロ)アカデミー」(菊池由美子校長)が4月20日に開校する。演技、ボイストレーニング、ダンス・日本舞踊、礼儀作法など多彩なレッスンで、エンターテインメント人材を育成。修了生の活動も支援する。基礎科第1期生を3月3日まで募集。11日は学校説明会と無料体験レッスンが市民ホールTETTOで行われ、4~76歳まで20人余りが参加した。
養成所は、東京で俳優やモデル、舞台や映像制作の仕事をしてきた釜石出身の菊池校長(57)が、「地方から芸能の世界を目指す人たちの力になりたい」と立ち上げた。芸能活動に必要な知識や技能を基礎から学べるカリキュラム(1年)を用意。5歳以上(4月1日時点)を対象とし、年代別に5つのクラスを設ける。レッスンは必須科目(演技、ボイトレ、和文化体験)が月5~6回、選択科目(ダンスor日本舞踊・着付け)が月2回。釜石、大槌で活動する各分野の専門家らが講師を務める。ゲスト講師による特別レッスンも予定。1年の成果を確認する発表(舞台or映像)の場もある。
「C-Zeroアカデミー」校長の菊池由美子さん。演技や日本舞踊の講師も務める
基礎科修了生は、次のステップとして研究科でのレッスン継続が可能。プロとしての活動を目指す「C-Zero登録生」はプロモーション活動を開始し、仕事の依頼を受けるほか、菊池校長が代表を務める芸能事務所「FUKUプロモーション」所属タレントのオーディションを受けることができる。趣味でレッスンを継続したい人は「研修生」として在籍し、イベントや映像のエキストラ出演も可能。生徒の意向に応じ、進みたい道を後押しする。
中学生以上を対象に開かれた午後の学校説明会
開校を前にした学校説明会と体験レッスンには、市内外から幅広い年代の人たちが集まった。菊池校長がカリキュラムや年間スケジュール、費用などを説明した後、参加者が演技レッスンを体験した。ジェスチャーを交えた自己紹介リレーに続き、「ロボットになって」「酔っ払いになって」などのお題のもと歩きながらあいさつを交わしたり、「桃太郎」をベースにしたセリフのやり取りをさまざまな設定で演じたりした。
ジェスチャーを交えて自己紹介。自分より前の人たちの動きを再現しながら…
「泣きながら」「ロボットになって」など出されたお題で歩く
2人1組で短いセリフのやり取りを体験。自分たちで設定を考え交替で発表し合った
同市出身、在住の佐々木瑠奈さん(22)は声優を目指し、盛岡の養成所に通っていたが、地元にできると聞き、この日の説明&体験会に参加。「最初は緊張していたが、他の参加者と話したり、演技していくうちにどんどん楽しくなって」と目を輝かせた。「意欲があっても(環境的に)あきらめていた人もいると思う。近くに(養成所が)あれば、学生とかも通いやすい。地元でレッスンできるのが一番大きい」と開校を楽しみにする。「舞台での芝居にも興味がある。声優と俳優、両方を目指してやってみたい」と入校へ前向きな姿勢を見せた。
2023年にUターンした菊池校長。自身がこれまで培ってきたものを古里に還元し、エンターテインメントによるまちづくりにも貢献したいと、同養成所開設へ奔走してきた。地元企業や芸能関係者などの協力で実行委を組織。4月開校に向けての準備が整った。「まずは基礎をしっかり学んでもらい、それぞれの個性を伸ばすような指導ができれば。人生100年時代。社会人やシニアの方は自分磨きをしながら生き生きとした人生を送る、子どもたちには好きなことや得意なことを見つけるきっかけにもなれば。芸能界への夢を抱く人たちには、かなえられるようなサポートをしていく」と菊池校長。
参加者が考えた設定の芝居を演技講師(中央手前:小笠原景子さん、同奥:菊池校長)が見守る
参加者にアドバイスする演技講師の横濱千尋さん(中央)。レッスン体験は終始楽しい雰囲気で進んだ
生徒の募集は年1回。学校案内、募集に関する問い合わせ方法などは「C-Zeroアカデミー」公式サイトで見ることができる。FUKUプロモーションは、キャスティングを手掛ける東北芸能企画事務所(秋田県)との契約が実現。すでに仕事のオファーも来ているという。
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