正確かつ素早く!救助技術訓練の成果を確認 釜石大槌消防本部 県大会へ、選考会でメンバー決定


2023/06/12
釜石新聞NewS #防災・安全

救助技術の練度を確認する釜石大槌地区消防本部の選手

救助技術の練度を確認する釜石大槌地区消防本部の選手

  
 釜石大槌地区行政事務組合消防本部(佐々木昌貴消防長)は5月30日、消防救助技術岩手県大会に向け最終メンバーを決める効果測定(選手選考会)を釜石市鈴子町の釜石消防署訓練棟施設で行った。県大会でエントリーする陸上の部4種目(個人1、団体3)で実施。選手は訓練で磨いた技術と体力を発揮し、課題をチェックした。
  
県大会に向けたメンバー選考会に臨む消防署員ら 

県大会に向けたメンバー選考会に臨む消防署員ら

   
 釜石、大槌の2署から19人(うち女性2人)が参加した。成果が披露されたのは、消防の基本技能となる15メートルの「はしご登はん」、高所に張られた長さ20メートルのロープを渡って対面する塔上の要救助者を助け出す「ロープブリッジ救助」(4人一組)、8メートルの煙道をくぐって要救助者を外に助け出す「ほふく救助」(3人一組)、地下やマンホールなどでの災害を想定したもので空気呼吸器を着装して降下しロープを用いて要救助者を引き揚げる「引揚救助」(5人一組)の4種目。それぞれ動作の正確さや速さを競った。
 
同僚らが見守る中、垂直に設けられたはしごを登る選手  

同僚らが見守る中、垂直に設けられたはしごを登る選手

  
水平に張られたロープを渡って助け出すロープブリッジ救助

水平に張られたロープを渡って助け出すロープブリッジ救助

  
ほふく救助で鍛錬の成果を見せる隊員ら

ほふく救助で鍛錬の成果を見せる隊員ら

   
 選手は5月上旬からそれぞれ鍛錬を重ねてきた。「頑張れよ」「いけるぞ、よし」「いいね、ナイス」。同僚らの声援を受けながら力を尽くし、上位入賞の17人の県大会出場が決まった。
  
 釜石署の大津果穂さん(22)は、はしご登はんで入賞。「2年目で初めての県大会。緊張すると思うが、しっかり成果を出せるようにしたい」と上を向いた。ロープブリッジの前川柊哉さん(25)は「目指すは東北大会出場。努力が必要で、訓練を重ねたい」と強調。ほふく救助に参加した多田和佳菜さん(23)は「悔いのないよう練習の成果を出し切った。訓練を通じて技術は向上している。実際の活動に生かせるよう、これからも取り組む」と前を見据えた。
   
 大槌署の大久保太陽さん(21)が臨んだ引揚救助は、装備の不調などで審査が中止となった。消化不良の様子で、選考会後に先輩署員の助言も受けながら競技の流れを確認。「こういうこともあるが、実際の現場であってはいけない。一人一人の動き、チーム全体の流れを見直す」と気を引き締めた。
  
引揚救助に臨む署員は息の合った動きを見せた

引揚救助に臨む署員は息の合った動きを見せた

   
 県大会は、6月28日に矢巾町の県消防学校で開かれる。同本部の選手らが目指す東北地区指導会は7月26日に山形県鶴岡市、全国大会は8月25日に北海道札幌市で行われる。また、水上の部は7月19日に東北地区指導会(宮城県利府町)が予定され、同本部は「溺者救助」(3人一組)に選手を派遣する。

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