釜石SW 愛知に38-44で惜敗 1部昇格なくなる 残り2戦でホーム白星狙う


2023/03/10
釜石新聞NewS #スポーツ

釜石SWホーム3連戦始まる。5日は豊田自動織機シャトルズ愛知と対戦

釜石SWホーム3連戦始まる。5日は豊田自動織機シャトルズ愛知と対戦

 
 NTTジャパンラグビーリーグワン2部の釜石シーウェイブス(SW)RFCは5日、釜石市の釜石鵜住居復興スタジアムで豊田自動織機シャトルズ愛知と対戦。38-44(前半18-31)で敗れ、1部昇格条件の3位以内への可能性がなくなった。後半に一時逆転し、今季初のホーム戦勝利に期待が高まったが、あと一歩及ばず6点差で涙をのんだ。1勝6敗、勝ち点5でリーグ最下位の6位。次節は12日、同スタジアムで首位の浦安D-Rocksと対戦する。
 
 前半早々、釜石は愛知に2トライを許すも12分、敵陣ラインアウトからボールをキープ。中央付近から左に展開し、タッチライン際でキャッチしたWTB小野航大主将がインゴールに持ち込んだ。いい流れをつかんだ釜石は25分にPGを決めた直後、自陣での攻防からフランカー河野良太が抜け出し、ナンバー8サム・ヘンウッドにパス。一気に敵陣5メートルまで運び、最後はロック、ベンジャミン・ニーニーがトライ(ゴール成功)、15-19とした。その後、愛知2トライ、釜石1PGで18-31。13点差で前半を折り返した。
 
タッチラインぎりぎりでボールを受け、インゴールに走り込む小野主将(右)=前半12分

タッチラインぎりぎりでボールを受け、インゴールに走り込む小野主将(右)=前半12分

 
河野のパスを受け独走。敵陣5メートルまで切り込んだヘンウッド(手前右から2人目)

河野のパスを受け独走。敵陣5メートルまで切り込んだヘンウッド(手前右から2人目)

 
前半26分、ニーニーのトライ(左側)。後半4分にも2本目を決め、点差を縮める(右白枠内)

前半26分、ニーニーのトライ(左側)。後半4分にも2本目を決め、点差を縮める(右白枠内)

 
 後半開始直後は釜石が猛攻。4分、左サイドから長短のパスでつなぎ、右ゴール目前でWTB阿部竜二が後方に走り込んだニーニーに託し、後半初得点(ゴール成功)。ニーニーの2本目に会場が沸いた。PGでさらに詰め寄ると13分、敵陣22メートルスクラムからヘンウッドが自ら持ち出しサイドアタック。33-31と逆転した。18分に愛知がトライで再逆転。22分には、後半出場のSO中村良真の左インゴールへのキックを小野主将が押さえ、この日2本目のトライ。38-38の同点に戻した。釜石は残り10分でPGを2本決められ、ホーム初勝利を逃した。
 
スクラムから右サイドアタックで逆転トライを決めたヘンウッド(中央)=後半13分

スクラムから右サイドアタックで逆転トライを決めたヘンウッド(中央)=後半13分

 
 昨年12月以来、約2カ月ぶりのホーム戦はマスク着用の声出し応援が可能に。コロナの制限緩和で、会場には久しぶりの選手を鼓舞する掛け声が響いた。入場観客数は約830人。釜石、大槌両市町の小中学生が無料観戦できるパスポートで入場した佐伯晃君(甲子小4年)は「惜しくも負けて残念。でも試合は面白かったし、SWの選手はかっこ良かった」と憧れのまなざしを向けた。
 
 SWの稲田壮一郎選手と同じ職場の菊池唯さん(41)は「今回はいけるんじゃないかと思っていたが、惜しかったですね。でも僅差の試合は魅力的。稲田選手の出場も見られて良かった」と笑顔。地元で試合観戦できる環境も喜び、「また来ます。SW選手には残り2試合、体に気を付けて頑張ってほしい」とエールを送った。
 
青空の下、観客は久しぶりのホームでの試合を楽しんだ

青空の下、観客は久しぶりのホームでの試合を楽しんだ

 
大漁旗をなびかせ、選手の奮闘をたたえるバックスタンド席の観客

大漁旗をなびかせ、選手の奮闘をたたえるバックスタンド席の観客

 
 1月の愛知との1戦目は14-64の大差で敗れた釜石。上位を争う2チームとの対戦を経て臨んだ今回は、ディフェンスの粘りや外への素早い展開など確実な成長を感じさせた。一方で、試合立ち上がりの失点は引き続きの課題。
 
 須田康夫ヘッドコーチ(HC)は「優勢にゲームを進めることはできていたが、悔やまれるプレーがいくつか。一人一人の規律、プレーの精度が必要」。小野主将も「細かいエラーが勝ち切れなかった要因。短い期間で修正できれば次の2戦、勝つチャンスはある」とみる。トップ3の目標には届かないが、レギュラーシーズン残り2試合もホームで全力を尽くす。「目標の方向性を修正し、自分たちのベストを見せたい」と須田HC。次節の試合は、発生から12年となる東日本大震災命日の翌日。小野主将は「ここで、このチームでプレーする意味を今一度チーム内で共有し、皆さんを勇気づけられるゲームをしたい」と意気込む。

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