つなぐ伝統・虎舞 かまいしこども園 虎頭の引き継ぎ式
元気いっぱい虎舞を披露する園児たち
釜石市天神町のかまいしこども園(藤原けいと園長、園児80人)は9日、大町の市民ホールで虎舞の引き継ぎ式を行った。卒園を控えた5歳児23人が最後の舞を元気いっぱいに披露。「がんばって」と4歳児に虎頭を手渡し、伝統をつないだ。
同園では東日本大震災のあった2011年に虎舞を地域住民から習い、伝統芸能として継承する活動を開始。5歳児が虎頭を手に演舞、4歳児がおはやしを担当し、園行事や地域で披露してきた。新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、発表する機会は大幅に減り、21年度に観客を前に披露できたのは運動会の1回だけ。予定されていた市内の高齢者施設や県内外のこども園との交流はオンラインで行い、画面越しの発表となった。
最後の舞台としていた地元ラグビーチームのホスト(本拠地)戦(3月)での応援は参加を控えることに。出演を楽しみにしていた全国虎舞フェスティバル(2月)も延期になったことから、ステージで踊る楽しい思い出を残してもらうため、代替えにと職員が企画した。
4、5歳児が力を合わせて元気な虎舞を披露した
元気に跳ね回り、後輩や保護者にカッコいい姿を見せた
保護者が見守る中、虎頭を手にした5歳児は1年間頑張った練習の成果を発表。跳ねたり、寝転がったり、広いステージを目いっぱい使って元気な舞を見せた。4歳児11人が威勢のいい、おはやしで演舞を後押しした。
釜石の伝統芸能・虎舞の虎頭を引き継いだ
発表後、5歳児は虎頭を4歳児に手渡して引き継ぎ。「がんばります」と受け取る後輩たちに、「腰を下げた方がいいよ」「背筋をピーンとのばすとかっこいいよ」などと、虎を演じる時に気を付けるポイントを伝えた。
小野寺諒君(6)は「うまくできた。楽しかった」と満足げ。父一男さん(51)、母優美子さん(43)は「最後に大きい舞台で踊る姿を見ることができて良かった。大きな動きに成長を感じた。これからいろんなことがあると思うが、失敗を恐れず、どんどんチャレンジしてほしい」と目を細めた。
藤原園長は「大舞台に立つ経験は子どもの成長につながる。これをきっかけに、郷土芸能を続けてもらえたら」と期待した。
釜石新聞NewS
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