コロナ禍の窮状に応援の手を 社交飲食業組合釜石支部 市民に来店呼び掛け
県社交飲食業生活衛生同業組合釜石支部 年末年始に向け会合=6日、ヴィヴィアン(鈴子町)
新型コロナウイルス感染症の影響で、釜石市内の夜営業の飲食店は客足が戻らず、厳しい経営状況が続く。県社交飲食業生活衛生同業組合釜石支部(山﨑公平支部長、17店)は、県が感染防止対策の基準を満たす店に交付する「いわて飲食店安心認証」を全店舗が取得。利用者の理解と協力を求め、「苦しい状況に置かれる飲食店に市民の応援を」と来店を呼び掛ける。
ワクチン接種が進み、県内の新規感染者数も連日ゼロが続くが、酒を提供する市内の飲食店は来店客がまだまだ少なく、経営者の頭を悩ませている。料理店、居酒屋、スナック、カラオケ店などが加盟する同組合釜石支部は6日、年末年始の利用促進へ共通認識を図る会合を開き、感染対策の徹底や客の理解を得るための方策に意見を交わした。
組合員ら15人が出席。盛岡市に拠点を置く同組合から西部邦彦理事長が訪れ、県組合として行った県知事や盛岡市長に対する要望内容を紹介。県内他市の支援策についても情報提供した。県生活衛生営業指導センターの元指導員で、現在も消毒講習などの専門家として活動する赤沼柳子さんは、感染の仕組みや対策の正しい知識を伝授。認証店として客の信頼を得られるようアドバイスした。
「正しい知識で感染症対策を」と呼び掛ける赤沼柳子さん(中央)
赤沼さんの話に耳を傾ける組合加盟の飲食店店主
山﨑支部長によると、釜石では昨春と今秋の2回にわたり飲食関係3団体で救済策を市に陳情。家賃補助などの手厚い支援策と市長名での飲食店応援メッセージ発出を要望したが、窮状改善には至っていない。
東京商工リサーチが10月上旬に行った企業へのアンケートで、年末年始に「忘・新年会を開催しない」と答えた企業は本県で79パーセントに上り、市内の職場や団体も開催を控える傾向が見られる。山﨑支部長は「コロナ前なら予約で埋まる時期だが、今年はゼロ。大人数は期待できないが、何とか少数単位でも来店いただき、地元飲食店を助けてほしい」と訴える。
同組合理事で、かまいし親富幸通り飲食店会会長を務める久保秀俊さんは「これまで市内の飲食店からは1件も感染者が出ていない。それだけ各店とも(対策を)頑張っている。他地域から来た人も釜石の対策徹底に感心している」と話し、店と客双方の協力で地元経済回復に向けた人の流れを生み出したいと願う。
「いわて飲食店安心認証」を受けた店は入り口などに認証マークを掲げる
「いわて飲食店安心認証」は、県が定める28項目のコロナ対策を実践し、現地調査ですべての項目が基準を満たしていると認められた店に交付。認証店は店の入り口や店内に認証マークを掲示している。認証店のスタンプを3つ集めると、抽選で150人にオリジナル県産品ギフトをプレゼントするキャンペーンも実施中(来年2月14日まで)。
釜石新聞NewS
復興釜石新聞を前身とするWeb版釜石新聞です。専属記者2名が地域の出来事や暮らしに関する様々なNEWSをお届けします。取材に関する情報提供など: 担当直通電話 090-5233-1373/FAX 0193-27-8331/問い合わせフォーム