釜石を発信!「○○(まるまる)のまち」で商品開発続々、かまいしDMC
釜石市の観光地域づくり法人かまいしDMC(河東英宜社長)は、「○○(まるまる)のまち釜石」を発信する新商品の開発に力を入れている。食品加工製造会社や南部鉄器メーカーなど市内外の異業種連携で生み出した海の幸たっぷりの冷凍パエリア、釜石の地層や文化を模した具材を詰め込んだジオ弁を相次いで発売。「鉄と魚のまち」、三陸ジオパークをPRする商品に次いで、「ラグビーのまち」にちなんだ製品の企画も進行中だ。河東社長は、まちを表現する“○○”に当てはめた多様なものづくりを続け、地域を盛り上げていく考えだ。
三陸ジオパークPR 地形や文化を表現した「おかず」詰め込むジオ弁
一つ一つの料理に関する説明を確認しながらジオ弁を味わう野田市長(左)ら=8月5日、釜石市役所
かまいしDMCが、弁当製造や宅配事業を展開するマルワマート(大町)と共同開発したのは「釜石ジオ弁当」。食を通して釜石とジオパークの特長、伝統文化の魅力をアピールしようと企画した。
食材の多くは地元、県産品を活用。花崗(かこう)岩の奇石が敷き詰められた景勝地・御箱崎千畳敷を釜石産ドンコのフライ、ワカメとイカのカレー風炒めで伝統芸能・虎舞を表現するなど、ジオや文化にちなんだ趣向を凝らした「おかず」を考案した。器の“木製わっぱ”には2017年に平田尾崎半島で発生した林野火災の焼損材(スギ)を活用。プラスチックごみの課題解決に向け、環境に配慮した取り組みも導入した。
8月5日には市役所で野田武則市長らが試食。大漁旗をデザインした包装紙の裏面に、おかず一つ一つを紹介する「釜石マップ」があり、確認しながら味わった野田市長は「具材がいっぱいあって飽きない。すごく楽しい」と評価した。
釜石の地形や文化を表現した“おかず”が詰め込まれた「釜石ジオ弁当」=8月5日、釜石市役所
修学旅行や企業研修などで訪れた人たちの利用を想定。開発を進めた地域活性化起業人の大窪諒さん(31)は「できるだけ市内事業者の食材を使い、地産地消を目指した。楽しく食べて釜石のことを学んでほしい」と期待した。
開発に関わった女性たちも出来栄えを確認。手ごたえを感じていた=8月5日、釜石市役所
釜石ジオ弁当は1個1000円(税込み)。注文はマルワマートで平日午前8時半~午後2時の間、25個以上から受け付ける(土日・祝日は要相談)。利用日の1週間前までの予約が必要。問い合わせは同社(電話0193・24・3726/FAX0193・55・5108)へ。
「鉄と魚のまち」PR 南部鉄器付き「うにパエリア」
海の幸たっぷりのパエリア。試食した女性たちの評価も上々=7月20日、根浜シーサイド
ジオ弁当に先立ち、開発・販売されているのが「三陸釜石うにパエリア」。新名物にと売り出す「うにしゃぶ」の濃厚スープを使った海の幸たっぷりの冷凍パエリア(800グラム)と南部鉄器製のオリジナル鍋(直径24センチ)を専用ギフト箱に入れて届け、「鉄と魚のまち釜石」を発信する。
パエリアは県産米を使い、うにしゃぶのスープで少し芯が残る程度に炊き上げ、タイのほぐし身やバジルを混ぜ込んだ。具材は県産ホヤ、エビ、イカ、アサリなど魚介に、ブロッコリーやパプリカなど彩り野菜も加えた。鍋は手になじむ取っ手などにこだわった職人技を感じる一品だ。
異業種連携で生み出した商品で「鉄と魚のまち」をPRする関係者=7月20日、根浜シーサイド
鵜住居町の根浜海岸観光施設・根浜シーサイドで7月20日、試食会を開催。「冷凍とは思えないぐらいおいしい」「ウニの風味が豊かで、香りもいい」「家族に贈りたい」などと好評だった。
かまいしDMC、麻生三陸釜石工場(片岸町)、及源鋳造(奥州市)の3者による異業種連携で生まれた商品。開発を進めた大窪さんは「コロナ禍で外食が制限される今だからこそ、ちょっぴり豪勢な料理を家庭で味わったり、大切な人への贈り物にしてほしい」と期待する。
「三陸釜石うにパエリア」。南部鉄器の鍋とパエリアの具材が一緒
三陸釜石うにパエリアは1セット1万2500円(送料込み、沖縄と離島への配送なし)。かまいしDMCが運営する「岩手釜石オンラインショップ」か、根浜シーサイドで購入できる。
釜石新聞NewS
復興釜石新聞を前身とするWeb版釜石新聞です。専属記者2名が地域の出来事や暮らしに関する様々なNEWSをお届けします。取材に関する情報提供など: 担当直通電話 090-5233-1373/FAX 0193-27-8331/問い合わせフォーム