七夕にちなみ乾しいたけの魅力PR 釜石・大槌の生産者ら対面販売で意欲向上


2021/07/16
釜石新聞NewS #産業・経済

店頭価格より格安で販売された県産乾シイタケを品定めする女性たち

店頭価格より格安で販売された県産乾シイタケを品定めする女性たち

 

 釜石・大槌地域特産の高品質な原木乾(ほし)シイタケを知ってもらおうと、釜石地方林業振興協議会(会長=伊藤栄悦・県沿岸広域振興局農林部長)は7日、七夕の「星(ほし)」にちなみ、釜石市港町のイオンタウン釜石でPRイベントを開いた。乾シイタケを無料配布したほか、店頭価格の半額で格安販売。戻し方やレシピが掲載された小冊子なども付けるなど一手間加え、魅力をアピールした。

 

 乾シイタケは6月から7月が旬。生産・流通関係者らで組織する「日本産・原木乾しいたけをすすめる会」が語呂合わせで、7月7日を「乾しいたけの日」としている。イベントはこれにちなんだ取り組み。釜石地方の生産者らが特設ブースを設け、釜石地方産と宮古地方産(山田町産)のシイタケを並べ、消費拡大を呼び掛けた。

 

原木乾シイタケの生産現場を紹介する写真資料も並べて地場産品の魅力をアピール

原木乾シイタケの生産現場を紹介する写真資料も並べて地場産品の魅力をアピール

 

 大渡町の70代女性は「どんこはふわっとしていて、おいしそう」と味を想像。大槌町の60代女性は「シイタケを使った料理はありきたりのものになりがち。いろんなメニューを作って味わいたい」とレシピの配布を歓迎した。

 

 本県のシイタケは、春に気温の低い状態が続くことで、かさが開かずにゆっくり成長。丸みを帯び、肉の締まった「どんこ」は国内で評価が高く、中央の乾シイタケ品評会で農林水産大臣賞などを受賞する生産者も出ている。

 

 今回出品した大槌町金沢のシイタケ農家兼澤平也さん(73)も、その一人。妻静子さん(74)と2人で「いいものを作る」と努力を重ねている。自慢の品を手に取る消費者の姿をうれしそうに見つめ、「今後、生産を増やす予定。年を取って大変な作業もあるが、もう少し頑張りたい。楽しみにしてほしい」と夫婦で笑顔を重ねた。

 

「いいものを」と思いを込めて生産に励んでいる兼澤夫妻。久しぶりに消費者との触れ合いを楽しんだ

「いいものを」と思いを込めて生産に励んでいる兼澤夫妻。久しぶりに消費者との触れ合いを楽しんだ

 

 釜石・大槌地域は県内有数の産地。東日本大震災前は生産者が70人いたが、現在は十数人、7トンあった生産量も1トンと減っていて、産地の再生が課題となっている。沿岸振興局農林部の上席林業普及指導員、田島大さんは「日本一のシイタケをつくる生産者がいることを地元の皆さんに知ってほしい。消費者と触れ合うことで、生産者の意欲向上につながることも期待」と話す。

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