クマ出没注意!~市が呼び掛け「農作業、入山時は十分な対策を」


2021/05/12
釜石新聞NewS #防災・安全

クマ出没注意!~市が呼び掛け「農作業、入山時は十分な対策を」

 

 春を迎え、釜石市内でもクマ(ツキノワグマ)の目撃情報が増え始めている。不意の遭遇などで人身被害も予想されることから、十分な注意が必要。県や市は入山時、農作業中の予防行動、家屋にクマを寄せ付けないことなど被害防止を呼び掛ける。

 

 釜石市によると、4月1日~29日までに市に寄せられたクマの目撃情報は23件。目撃場所は甲子、定内、大平、平田、両石、橋野と市内一円にわたり、防災行政無線で注意を呼び掛けた。例年この時期は、冬眠明けのクマが活発に動き出し、えさを求めて人里に近づくケースが見られる。

 

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橋野町青ノ木で4月に目撃されたクマ

 

 市内では昨年、鵜住居、栗林、甲子で3件の人身事故が発生。農作業や散歩中などに被害にあい、負傷者が出た。市水産農林課林業振興係の佐々木徳明係長は「一人でもくもくと農作業をしているところにクマが鉢合わせし、驚いたクマが襲ってくるケースが多いよう。ラジオの音とかで人がいることをクマに知らせることが大事」と話す。

 

 農作業時には他に、①クマの行動が活発になる早朝、夕方は特に気を付ける②農地周辺の刈り払いを行う③できるだけ単独での作業は避ける―といった対策が必要。農地や民家にクマを引き寄せないために、①生ごみや廃棄野菜・果実の適切処理②収穫後の放置果実の適切除去③収穫物収納庫の施錠―なども呼び掛ける。

 

えさを探して歩き回る?

えさを探して歩き回る?

 

 これからの季節は山菜採り、登山、渓流釣りなどで山に入る人も増える。突然出会ってしまう危険性が一層高くなるため、対策を組み合わせて自身の安全を確保することが重要。複数で音(鈴、ラジオ)を出しながらの行動、周囲に気を配る、食べ残しは放置しない―など人里と同様の対策に加え、①周りの音が消される強風時や沢沿いは特に注意する②夜間、明け方、夕方の入山回避③クマ撃退グッズ(忌避スプレー、鉈など)の携行④地域のクマ情報の事前確認―を促す。

 

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畑の外の防護柵の木によじ登る姿も

 

 もし出会ってしまったら、「走って逃げない。背中を見せない。持ち物(リュックなど)を置いて注意をそらす。静かにゆっくり後退」が基本。クマを驚かせないように、落ち着いてその場を離れることが大切だという。山に入ることはクマの生活場所に入ること。何よりも出会わない工夫をすることが身を守ることにつながる。

 

資料写真提供/三浦勉さん

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