震災追悼施設で解体式、祈りのパーク完成 役目終える〜鵜住居 常楽寺敷地内
解体される仮設追悼施設。作業を前に関係者が手を合わせた
釜石市の鵜住居地区復興まちづくり協議会(佐々木憲一郎会長)は3日、鵜住居町の常楽寺境内入り口付近にある市追悼施設の解体式を行った。東日本大震災で亡くなった市全体の犠牲者の霊を慰める場だったが仮設のもので、別の追悼施設が整備されたことから、役目を終えたと判断。参列した遺族や地域住民、市幹部ら約30人は犠牲者を悼むとともに施設との別れを惜しんだ。
仮設施設は震災で避難した多くが犠牲になった鵜住居地区防災センターの解体が決まったことを受け、2013年8月に同協議会が同センター隣接地に設置。復興工事の進展で、15年2月に現在の場所に移設した。
市内全犠牲者を悼む場として遺族ら多くの人が訪れてきたが、19年3月に「釜石祈りのパーク」が同センター跡地に完成。これまで管理してきた同協議会は活用し続けるか協議を重ねてきたが、「仮設施設の役目を終えた」と解体を決めた。
式では同寺の藤原育夫住職が読経する中、参列者が焼香し手を合わせた。あいさつに立った野田武則市長はの仮設施設で手を合わせてきたという佐々木会長は「感慨深い。ありがとう、ご苦労さまという気持ち」と言葉をかみしめる。新しいまちの姿が見え、未来を見据えた話し合いも進んできていると実感。今年初めて同パークで追悼し、「これからは祈りのパークを地域として守っていきたい」と話した。
解体作業を順次進め、今月末までには整地される見込み。訪れた人が思いをつづったノートは町内にある伝承施設「いのちをつなぐ未来館」、千羽鶴などの供物は市が保管する。
(復興釜石新聞 2020年7月11日発行 第894号より)
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