学校田に児童らの声弾む〜白山小学校で40回目の田植え


2020/05/26
復興釜石新聞アーカイブ #文化・教育

3年生以上の児童が、にぎやかに田植え=14日、白山小

3年生以上の児童が、にぎやかに田植え=14日、白山小

 

 釜石市嬉石町の敷地内に約1アールの学校田がある白山小(熊谷直樹校長、児童37人)で14日、児童による田植えが行われた。青空に薫風が吹き渡る中、3年生以上の25人が田に踏み込み、もち米の苗を植えた。稲刈りは10月を見込み、12月には餅つきして全員で味わう。

 

 熊谷校長は「稲作体験を通じて自然の恵みや農家の仕事を学び、たくさんの疑問を探してほしい」と児童に呼び掛けた。大船渡農業改良普及センターの柄澤真梨歩技師が田植えの方法を説明。6年生が手本を示し、低学年が続いた。同センターの昆悦朗上席指導員は「初めての児童が多い割には、しっかり植えられた」と感心した。

 

 3年の伊藤夢愛來さんは「田んぼはニュルニュルしたけど、気持ちよかった。お米がいっぱいとれればいい」と声を弾ませた。苗(ヒメノモチ)の提供を続ける甲子町上小川の農業藤井茂さん(80)は「苗は順調に育った。子どもがいっぱいの田植えも面白い」と目を細めた。

 

 同校の水田は1979年度に開かれ、校舎改築のため2年間の休止を経て今年で通算40回目の田植えとなった。当初から5年生の体験学習に位置づけてきたが、児童の減少による学級編成の複式化などが常態化。今年は新型コロナウイルスの問題も加わり、全校児童が参加するよう変更した。

 

 4月以降の除草、施肥、田起こし、代かきなどの作業の中で、1・2年(複式)は土ならし、小石拾い、3・4年(同)は田起こし、水入れを担当した。水田づくりをサポートする成澤幹雄さん(80)らは畔(あぜ)の改良を進め、周囲の除草を徹底。土をならし、水田を縁取る「くろ」を整備した。

 

 稲刈りと脱穀は5・6年(いずれも単式)を中心に行い、収穫祭では餅つきして水田学習を締めくくる。

 

 昨年度の収量は22キロだった。サポーターらは「30キロ」の豊作を期待している。

 

(復興釜石新聞 2020年5月16日発行 第887号より)

 

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