「糀みそドレッシング」で健康に、藤勇醸造開発〜発酵食品ブームに着目、パッケージにも工夫
「十割糀みそ」を使ったドレッシング
釜石市大渡町のみそ、しょうゆ製造販売業、藤勇醸造(藤井徳之社長)はこのほど、自社の「十割糀(こうじ)みそ」を使った「糀みそドレッシング」を開発した。たっぷりと入ったタマネギの甘みと、厳選した米油、ごま油がみそのうまみを引き立てているのが特徴。保存料などの添加物を使わないことにもこだわった一品だ。
使われた十割糀みそは県産の米、大豆100%で仕込んだ甘めのみそ。もちろん無添加だ。そのみそをベースに国産の生タマネギと炒めたタマネギを程よくからめ、米油やごま油などを配合。ぴりっと白コショウも利かせた。
みその消費量は食生活の変化などで全国的に減少傾向。同社では売り上げ向上や普及に向け新アイテムの必要性を感じていた。商品開発と広報を担当する小山明日奈さん(30)は、「健康、美容にいい」といった発酵食品ブームに着目。市の「ラグビー応援おいしい釜石お土産開発補助金制度」を活用し、昨年から具体的な開発を始めた。
レシピ開発や製造には、ドレッシング製造の実績がある盛岡市の浅沼醤油(しょうゆ)店の協力を得た。みその風味を残す工夫、油分の組み合わせや配合など試行錯誤。甘み、うまみ、酸味のバランスも考えつつ、「飽きずに、また食べたくなるような味」に仕上げた。
みそのおいしさを手軽に味わってもらうため、パッケージにも工夫した。みそのイメージ、老舗感、和の雰囲気をあえて排除。普段から料理をしている女性をメインターゲットにし、「おしゃれで洗練されたイメージ、手に持ちたくなるようなデザイン」を取り入れた。
小山さんは「野菜にたっぷりかけて味わってほしい」と期待。みそと相性の良い海藻類、キノコ類、豆腐などもお勧めという。
同社は東日本大震災後、全国からの支援に感謝を込め、精力的に製造、開発を進めている。今秋にはラグビーワールドカップ(W杯)も控え、小山さんは「多くの人に来てもらう機会。感謝を伝えつつ、釜石を知ってもらえるよう売り込んでいきたい」と力を込める。
十割糀みそドレッシングは、150ミリリットル入り390円(税抜き)。市内では道の駅釜石仙人峠、かまいし特産店(シープラザ釜石内)、イオンタウン釜石店で販売している。
問い合わせは藤勇醸造(電話0193・22・4177)へ。
(復興釜石新聞 2019年6月1日発行 第795号より)
藤勇醸造株式会社
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