三陸鉄道車内で総会、県理容組合釜石支部〜マイレールを応援、利用促進をアピール


2019/05/31
復興釜石新聞アーカイブ #地域

三鉄の列車内で開かれた県理容組合釜石支部の総会

三鉄の列車内で開かれた県理容組合釜石支部の総会

 

 県理容生活衛生同業組合釜石支部(菅原和美支部長、50店)は20日、三陸鉄道リアス線の貸し切り列車内で定期総会を開いた。東日本大震災に負けず事業再建を果たした支部員が、同様に鉄路復活で地域を盛り上げる三鉄を応援しようと提案。「利用する誰かを笑顔にする」という共通点もあり、組合員たちは列車の旅でもらった笑顔をつなぐ思いを深めた。

 

 この日は総会のため、お座敷列車を貸し切り運行。釜石市、大槌町の理容店などから約30人が乗り込んだ。出発前に釜石駅で、50年以上理容業に従事する5人を表彰。80歳現役理容師1人、支部役員退職者4人に感謝状を贈った。

 

 釜石駅を出発し大船渡市の盛駅に到着するまでの往路で総会を開催。2018年度の事業・決算報告を承認し、19年度の事業計画と予算を決めた。復路では豪華弁当を味わいながらの懇親会。車窓から景色を眺めたり、おしゃべりを楽しみ、和やかに列車の旅を満喫した。

 

鉄道の旅を楽しみ、親睦を深めた支部員ら

鉄道の旅を楽しみ、親睦を深めた支部員ら

 

 三鉄での総会を提案したのは、鵜住居町で理容店「カットハウスこばやし」を営む小林誠一さん(74)。震災で被災し仮設店舗での営業を経て、昨年6月に元の場所に本設店舗を再建した。

 

 地域の鉄道は住民が利用しなければ―。誠一さんの思いは実現したが、この日は都合により乗車できなかった。

 

 代わりに乗り込んだ妻京子さん(68)は支部員らが楽しむ様子に、「いい企画。三鉄の利用を心掛けていきたい」と実感。同業の仲間と情報交換できる機会にもなり、「仕事ができる幸せ」をかみしめていた。

 

 菅原支部長(48)は「理容店は憩いの場、まちの情報源となる場で、理容師は人を笑顔にする仕事。自分たちが笑っていることが一番大事で、その笑顔をお客さんに分けてほしい」と期待する。店も鉄道も存続には地元住民の利用が欠かせないと認識。相互利用が地域活性につながることを願った。

 

 久慈市の久慈駅と盛駅を結ぶ同線は3月23日に開通した。釜石駅によると、5月8日までの地元団体による貸し切り利用は28件。4月は14件だったが、5月はすでに11件の利用がある。つながった線路のように順調な伸びを維持、どこまでも続くよう期待を寄せる。

 

(復興釜石新聞 2019年5月25日発行 第793号より)

 

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