釜石の桜 一気に満開、待望の春を謳歌〜見事な花のアーチ、上栗林の桜ライトアップ
満開の桜の下で遊ぶピッコロ子ども倶楽部桜木園の園児ら
好天と温かさが続き、釜石の桜は18日ごろ一気に満開を迎えた。ライトアップで人気を集める「上栗林の桜」も満開となり、訪れた多くの人が見事な花姿を愛(め)でている。
釜石の最高気温は17日が22・2度、18日は23・9度まで上昇した。
小川川の下流に当たる小川町や桜木町は、釜石製鉄所山神社を囲むように桜並木が広がる花見の名所。老木は今年も豊かな花姿を見せた。川沿いの桜の幹は道を覆い、枝先は川面に垂れる。
買い物、散歩、ジョギングの男女、自転車や自動車も速度を落として花のアーチをくぐった。花に手が届く歩行者専用のつり橋にはカメラを構える人も訪れ、花と川の一体となったシーンを切り取った。
小川川の流れに枝を垂れる桜並木のアーチは格好の散策コース
18日、小川地区サポートセンター前の広場では、近くにあるピッコロ子ども倶楽部桜木園(千葉正子園長)の年中・年長児19人が輪投げなどの遊びを楽しんだ。園児らは満開となった桜の下で駆け回り、ベンチに座って春の陽気を楽しむお年寄りたちも目を細めながら見守った。
市の文化財「上栗林の桜」は17日夜、地元や遠方から多くの見物客を迎えた。ライトアップは東日本大震災から立ち上がる市民を応援しようと、2013年から7年目。上栗林振興会(三浦栄太郎会長、31世帯)が引き継いでいる。全体の景観を迫力いっぱいに浮かび上がらせようと、今年は発光器を過去最多の13個に増やした。
上栗林の桜は明かりをパワーアップしてボリューム満点に=17日夜
世話役の男性らは「八分咲き。一気に咲いた。雨風もなく、夜桜見物には最高の条件」と喜んだ。大槌町の若い男性は「仕事休みで通りかかった昼に、この大きい桜を見た。ライトアップと聞いたので、ばあちゃんを誘ってまた見に来た」と熱心にスマホで撮影した。宮古市からは若いカップルがドライブがてら訪れ、「大きくて、きれい」と声を上げた。
近くに住む三浦モトさん(79)は「このごろは毎日、畑に通う途中に桜の下を通る。そろそろ、ジャガイモを植える。お姑(しゅうとめ)さんから、種まき桜だと教えられた。せっかくの夜桜も一度は見たい。いいですね」と満喫した。ライトアップは21日まで行う。
この巨木はエドヒガン系で樹齢300年と推定される。過去の最大樹高23メートルで、胸高周りは4・9メートルもある。1997年に市文化財に指定された。
(復興釜石新聞 2019年4月20日発行 第784号より)
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