旧釜石鉱山事務所リニューアル、近代製鉄発祥の聖地「橋野」と併せ広く発信〜一般公開再開 7月中は無料

2016/07/06|カテゴリー:復興釜石新聞 観光

テープカットで旧釜石鉱山事務所のリニューアルオープンを祝う関係者

テープカットで旧釜石鉱山事務所のリニューアルオープンを祝う関係者

 

 東日本大震災の地震で建物の一部が壊れ、改修工事のため休館していた釜石市甲子町大橋の旧釜石鉱山事務所が6月30日、一般公開を再開した。耐震補強工事に合わせてレイアウトや展示内容を大幅に見直し、釜石の製鉄の歴史を物語る貴重な資料を公開。昨年、世界遺産に登録された橋野鉄鉱山と併せ、「鉄のまち釜石」を広く発信する。

 

 現地で行われた記念式典には、釜石鉱山株式会社の関係者や地元住民の代表など約60人が出席。野田武則市長は「大橋は橋野よりも先に洋式高炉が稼働した場所で、近代製鉄の聖地と言える。ここで血と汗を流した先人の労苦に思いをはせ、まだ眠っている宝を掘り起こし、国内外に発信していきたい」とあいさつした。

 

 同事務所は鉄筋コンクリート造り2階建てで、延べ床面積1408平方メートル。2008年まで釜石鉱山株式会社の総合事務所として使用されていたが、事務所移転に伴い市が建物の譲渡を受け、釜石鉱山に関する資料も寄託された。09年から一般開放していたが、震災で壁が崩れるなど一部が壊れ、約1億3900万円をかけて改修工事が進められた。13年には国の登録有形文化財(建造物)に指定されている。

 

改修された館内を見学する人たち

改修された館内を見学する人たち

 

 リニューアルオープンした同事務所は、1階にレトロな「昭和の事務所」を再現し、2階には鉱山で採掘に使った道具や採取された鉱物などを展示。ギャラリーでは同鉱山をモチーフにした絵画なども公開する。所蔵する約2800点の資料のうち710点を展示。新たに地図コーナーなども加えた。周辺には、さまざまな史跡や鉄鉱石の選鉱場跡などを散策する見学路も設けた。

 

 95年から99年まで釜石鉱山の社長を務め、同事務所の譲渡を発案した小野崎敏さん(82)=日鉄鉱業名誉顧問、東京都武蔵野市=は「建物を壊す話もあったが、釜石の宝をどうしても残したかった。震災で一部が壊れ心配したが、こういう形で再開され非常にうれしい」と感慨深げ。

 

建設当初のレトロな雰囲気が再現された「昭和の事務所」

建設当初のレトロな雰囲気が再現された「昭和の事務所」

 

 市内浜町から見学に訪れた金沢清美さん(50)は早速、事務所の椅子に腰かけ、「このレトロさがたまらない。周辺の環境もすばらしい。大勢の人に見てもらえるようPRしたい」と話した。

 

 開館は午前9時半から午後4時半まで。火、水曜日と12月9日から3月末までは休館とするが、10人以上の団体で申し込めば休館日の見学も受け入れる。入館料は大人300円、小中学生100円で、7月中は無料とする。

 

(復興釜石新聞 2016年7月2日発行 第500号より)

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