新緑に響く汽笛「SL銀河」3年目出発進行〜釜石駅へ一番列車 にぎやかに出迎え

2016/05/04|カテゴリー:復興釜石新聞 観光

新緑をバックに煙を吐きながら鉄橋を進む「SL銀河」

新緑をバックに煙を吐きながら鉄橋を進む「SL銀河」=24日午前10時57分、第三甲子川橋梁

 

 沿線が新緑に包まれ始めたJR釜石線(花巻―釜石間、90・2キロ)で23日から、蒸気機関車「SL銀河」の3年目の定期運行が始まった。釜石駅では、運行再開一番列車を歓迎の横断幕や郷土芸能で出迎え、浜の汁物をお振る舞い。市民らの温かいおもてなしに乗客が喜びの笑顔を広げた。

 

 午後3時7分の釜石駅到着を前に、線路をはさんだシープラザ釜石入り口付近には市民らが集まり、到着を待ちわびた。高らかな汽笛を響かせたSLが姿を現すと、ホームでは観光関係者や釜石市のキャラクター「かまリン」などが手を振ってお出迎え。駅前の「ホテルフォルクローロ三陸釜石」に勤務する釜石シーウェイブスRFCのダラス・タタナ選手(24)はジャージー姿で、ラグビーのまち釜石への訪問を歓迎した。鵜住居青年会が虎舞を披露し、旅の思い出を演出した。

 

 夫と乗車した紫波町の藤本美奈さん(53)は「一度は乗ってみたいと思っていた。市民の皆さんが本当に歓迎ムードで、気持ち良く到着できた。今度は走っている(SLの)姿を見てみたい」と期待を膨らませた。

 

 駅舎前では釜石観光物産協会がホタテの稚貝汁を乗客に振る舞い、好評を博した。「とてもおいしい」と箸を進めた千葉県千葉市の青木幸弘さん(54)夫妻は、妻律子さんの3年越しの念願がかなってSL銀河に初乗車。「宮沢賢治の物語をモチーフにした列車はロマンチックで座席も快適。車内の駅弁や地ビール、沿線のイベントと魅力いっぱいで、(乗車の)5時間があっという間。今日は釜石に宿泊し、明日もSLで帰ります」と声を弾ませた。

 

乗客を喜ばせたホタテの稚貝汁のお振る舞い

乗客を喜ばせたホタテの稚貝汁のお振る舞い

 

 SL銀河(客車4両、定員176人)は、観光面からの復興支援と沿線地域の活性化を目的にJR東日本が2014年から釜石線に導入。運行2年目の昨年は土・日を中心に75本の定期運行を行い、延べ約1万500人が乗車。平均乗車率は1年目を約1割下回り8割となったが、根強い人気を集めている。

 

 今年の運行日程は8月まで決定。5月の大型連休期間は4、5の祝日も運行される。

 

 24日は、花巻に向かうSL銀河の出発式が釜石駅ホームで行われた。JR東日本盛岡支社の嶋誠治支社長は「SL銀河で多くのお客さまに釜石を訪れていただくことで復興を後押しし、沿線の方々に少しでも喜びを感じてもらえれば」とあいさつ。野田武則市長は「SL銀河は、明治日本の産業革命遺産の原点である日本人が培ってきた技術、将来への思いの象徴とも言える」とたたえ、さらなる観光客増加に期待を示した。

 

楽しいSLの旅を願い出発合図をする角谷駅長とマヘ選手

楽しいSLの旅を願い出発合図をする角谷駅長とマヘ選手

 

 出席者8人でくす玉を割り、釜石駅の角谷公博駅長と釜石シーウェイブスRFCのマヘ・トゥビ選手(35)が出発を合図。唐丹町の桜舞太鼓が威勢のいい太鼓の音を響かせる中、午前10時55分、春の日差しに輝く黒い車体が力強く動き出した。

 

(復興釜石新聞 2016年4月27日発行 第482号より)

 

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