馬と触れ合い 地域を元気に、三陸駒舎に2頭〜民宿やトレッキング エコーツリズムを展開

2016/05/04|カテゴリー:復興釜石新聞 地域

三陸駒舎

やっと到着した2頭の馬をやさしく見守る黍原さん

 

 築90年の古民家を改修した釜石市橋野町中村の一般社団法人「三陸駒舎」(寄田勝彦代表)に20日、2頭の白馬がやってきた。馬と共生する文化の再生と、被災地の子どもらの心のケアなどに取り組むホースセラピーの活動が、いよいよ始まる。5月の大型連休期間中から試験的に、馬との触れ合いイベントを行う予定だ。

 

 馬はいずれも雌の道産子で、2歳と6歳。寄田代表が経営する島根県雲南市の牧場から1日半をかけて運んできた。当初は昨年8月に導入する予定だったが、古民家の改修に時間がかかり、半年以上遅れた。

 

 専用の搬送車から降りた2頭は早速、新たに広さ180平方メートルほどに整備された馬場を元気よく駆け回った。子どもらは水や餌やりを楽しみ、近所から駆け付けた80歳代の男性は「子どものころは、このあたりの農家はどこでも軍馬を育てていた」と懐かしそうに馬を見守った。

 

 馬の到着を心待ちにしていた同法人理事の黍原豊さん(39)は「馬との暮らしを中心とした交流を通して新たな仕事を生み出し、馬も増やして地域を元気にしたい」と夢を膨らませる。現在、古民家の2階を住居に改修しており、来月から妻里枝さん(42)、長女ゆらいちゃん(4)と3人で住み込み、馬の世話に当たる。

 

 黍原さんは愛知県出身で岩手大農学部卒。専門は林学で、一時、葛巻町の廃校を利用したエコスクール「森と風のがっこう」のスタッフとして活動した。震災後、「釜援隊」に応募して活動。その中で、各地で教育牧場を経営する寄田代表と出会ったことで馬に興味を持つようになった。

 

 昨年4月に立ち上げた三陸駒舎は古民家を拠点に、馬と共生する民泊体験を受け入れるほか、馬による耕作体験やトレッキングなどエコツーリズムを展開。障害のある子どもたちを対象にしたホースセラピーも行う。黍原さんは「馬との暮らしをつなぎ合わせながらコミュニティビジネスへ発展させ、より良い形で地域を次世代に手渡したい」と思いを込める。

 

 とはいえ三陸の山間地で、果たして需要はあるのだろうか。この疑問には、国内外15カ所で教育牧場を展開する寄田代表がこう答える。「馬はセラピーの王様と言われる。牧場はいずれも黒字。釜石でも、きっとやっていける」

 

 引き馬など本格的な触れ合い体験は6月ころから始めたい考えだ。

 

(復興釜石新聞 2016年4月20日発行 第480号より)

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