鵜住居 常楽寺「大日如来像」寄進の法要〜協同商船 亡き先代社長の恩返し

2016/03/23|カテゴリー:復興釜石新聞 地域

震災犠牲者に思いを寄せ、鎮魂と一日も早い地域の復興を祈る追悼供養法要の参列者

震災犠牲者に思いを寄せ、鎮魂と一日も早い地域の復興を祈る追悼供養法要の参列者

 

 鵜住居町の常楽寺(藤原育夫住職)では11日、寄進された「大日如来像」の開眼供養式と東日本大震災追悼供養法要が営まれた。檀(だん)信徒や関係者約150人が参列。仏の加護に感謝し、震災犠牲者の鎮魂、遺族や地域住民の安寧を願い、祈りをささげた。

 

 大日如来像を寄進したのは、船舶輸送業を営む東京都の協同商船(福田光容社長)。徳島県阿南市の仏師宮本義一さん(74)と門弟の東正義さん(68)=徳島市=、阿部和仁さん(68)=同=が木曽檜(ひのき)を彫り、1年余りかけて完成させた。

 

復興と震災犠牲者の冥福を祈念する「大日如来像」

 

 同社は先代社長の故福田正さんが1948年に創業。日本製鉄時代から新日鉄(現・新日鉄住金)釜石製鉄所の鋼材、原料輸送を担い、戦後の復興に貢献。正さんは釜石の観光船運航にも携わった。

 

 同像の寄進は、福田正海専務と東さん=まるいち汽船(広島県尾道市)取締役=の仕事上のつながりが縁で実現。父・正さんが世話になった釜石に震災の祈りの場を考えていた正海専務と宮本仏師の被災地に対する思いが重なり、新日鉄釜石OBの仲立ちで常楽寺への安置が決まった。

 

 式には尽力した4人のほか同OBらも参列し、開眼供養を見守った。正海専務は「皆さまのお力添えでここまで来られた。大日如来様自身が釜石に来たくて、私たちが動かされた気がする」と目に見えない導きに感謝。宮本仏師は「何かできればと思っていた。このような機会を得て、非常に光栄。皆さんに喜んでいただけたら」と思いを込めた。

 

 開眼式後は震災犠牲者を供養する法要が行われた。僧侶らの読経が響く中、参列者が焼香。あの日逝ってしまった大切な人たちを思い、手を合わせた。同寺では震災で420人もの檀信徒が犠牲になった。

 

 藤原住職は、高台に再建された寺から見下ろすまちに帰還希望者の切なる願いを重ね、「ここに人が住み、最後の1人まで笑顔が出た時こそが初めて復興だろう。道のりは長く険しいが、1人ひとりがどう進んでいくかを考える時期になってきている。次の世代にかけて心からの笑顔が出ることを祈念してやまない」と鵜住居の将来に希望を託した。

 

(復興釜石新聞 2016年3月16日発行 第470号より)

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