センバツ初戦は小豆島と〜釜石高 菊池主将「被災地の声援に応えたい」

2016/03/23|カテゴリー:復興釜石新聞 スポーツ

 20日に開幕する第88回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高野連主催)の組み合わせ抽選会は11日、大阪市の毎日新聞大阪本社で行われ、20年ぶりに甲子園の土を踏む釜石(岩手)の初戦の相手は、同じ21世紀枠で出場する小豆島(香川)に決まった。大会2日目の第1試合(21日午前9時開始予定)で対戦する。この日は東日本大震災から丸5年。抽選会場では、被災地から出場する釜石に関心が集まった。しかも、史上2度目という”21世紀枠対決”が実現。注目度はさらに高まったが、菊池智哉主将(3年)は「いつもの自分たちの野球をやるだけ。最後まで粘り強く」と落ち着いて言った。

 

健闘を誓い合う釜石の菊池智哉主将(左)と小豆島の樋本尚也主将

史上2度目の「21世紀枠対決」が実現。健闘を誓い合う釜石の菊池智哉主将(左)と小豆島の樋本尚也主将=11日、毎日新聞大阪本社

 

 組み合わせはまず、同地区対戦を避けるための振り分けを行い、抽選の順番が最後になった東北地区の釜石に残されたのは開幕試合の「1番」か「7番」。菊池主将は後者を引き当て、小豆島との対戦が決まった。

 

 小豆島は、少子化、野球人口減の困難を克服し、来春の統合を前に甲子園初出場を決めた注目校。話題の2校の対戦が決まると、会場からどよめきが湧いた。菊池主将は「甲子園の雰囲気をつかんでから試合をしたかったので、開幕日だけは避けたかった」と胸をなでおろした。

 

 「うちのチームは強い相手ほど燃える」と大阪桐蔭など強豪校との対戦を望んでいたが、小豆島との対戦もどこかで予感していた。ビデオ映像でプレースタイルを確認したこともあるという。ステージに上がり、小豆島の樋本尚也主将と握手を交わした菊池主将は「野球を考え、楽しむスタイルのチームと聞いている。自分たちも見習う部分はある」と謙虚に話した。

 

 小豆島は17人の部員全員が島出身。21世紀枠とはいえ、昨秋の神宮大会を制した高松商を香川県大会で破っている実力校だ。しかし、気持ちでは釜石も負けてはいない。菊池主将は「最後まで粘り抜く自分たちのスタイルを貫き、勝って釜石高の歴史をつくりたい」と力を込めた。

 

 抽選前には会場の全員で黙とうもささげられた。松原町で被災し甲子町の仮設住宅で暮らす菊池主将は、多くの記者に囲まれ、「この日に抽選会場にいることがありがたい。被災地の声援に応えたい」と、あらためて誓った。

 

 鵜住居町の実家が津波で全壊した佐々木偉彦監督(32)も「大切な日に、この場にいられることがうれしい」と組み合わせ抽選会に臨んだ高揚感をかみしめた。

 

釜石の佐々木偉彦監督(右)と小豆島の杉吉勇輝監督も握手

釜石の佐々木偉彦監督(右)と小豆島の杉吉勇輝監督も握手

 

 小豆島の杉吉勇輝監督は同じ32歳で、青年監督対決としても注目を集める。握手を交わした佐々木監督は「(小豆島は)対戦したい学校だった。投手が良く、守備が堅い印象が強い。ミスを減らし、最少得点に抑えて粘り強く戦いたい」とゲームプランを描く。試合巧者との評判も高い杉吉監督は「投手を中心に守り勝つ野球をしたい」と笑顔で応えた。

 

(復興釜石新聞 2016年3月16日発行 第470号より)

 

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