鵜住神社みこし 全国の支援で復活、26-27日祭典でお披露目〜地域住民「復興のよりどころに」

2015/09/16|カテゴリー:復興釜石新聞 地域

鵜住神社みこし復活

鵜住神社の新しいみこしを高台の境内へ運び上げる総代、地域住民、助っ人の大学生ボランティア

 

 「立派だ。本当にありがたい」。釜石市鵜住居町の鵜住神社(花輪宗嗣宮司)で5日、拍手と共に感激と感謝の声が上がった。東日本大震災の津波被害を受け、昨年から新たに製作が進められてきた同神社のみこしがついに完成し、この日、神社に納められた。全国の支援者と地域住民の熱い思いが込められた新みこしは、26、27日に行われる同神社の祭典でお披露目される。

 

 みこしは午前11時前、運送会社のトラックで神社に到着。氏子総代会、各町内会などから総勢約60人が出迎えた。参道入り口で荷台からみこしを降ろし覆っていた白布が外されると、住民らに喜びの笑顔が広がり、力を合わせて境内まで運び上げた。

 

 新みこしは約1・1メートル四方で、台座から屋根上の鳳凰飾りまでの高さは約2メートル。重量約400キロ。漆塗りの本体に金色のきらびやかな装飾が施され、目を見張る輝きを放つ。山車やみこし製作の高い技術に定評がある兵庫県の祭礼用品製造販売業、梶内だんじり(本社・淡路市、梶内純治社長)が製作した。阪神・淡路大震災を経験している梶内社長は被災した鵜住居に心を寄せ、約1年半という通常より短期間での製作に尽力してくれたという。

 

 依頼にあたっては、「前のみこしに似た形に」と希望。津波にのまれ損壊し、がれきの中から見つかったみこしを職人に託した。新みこしは前とほぼ同等の大きさ、形で、ボタン(花)や獅子が彫られた台座の飾り金具、鳥居に掲げられた神社名の額などの緻密な復元は、総代らも驚くほど。被災したみこしの再生可能な部分は新みこしに生かされた。

 

 前の格好にこだわったのは、前みこしが20年前に地区民によって奉納された特別なものだったから。二本松富太郎総代長は「本当にそっくりで感激。前のみこしには(震災で亡くなった人を含め)大勢の住民の思いが詰まっていたので。祭りへも自信がついた。たくさんの方が見に来てくれれば」と願った。

 

被災直後の鵜住神社みこし

日向橋付近(長内川)で見つかった被災直後の鵜住神社みこし

 

 鵜住神社(2基)と同敷地内に祭られる古峯神社(1基)のみこしは、保管庫ごと津波で流された。みこし復活への願いはボランティアらを通じて発信され、2012年には銀座西七丁目町会(東京都)から、13年には京都府南丹市園部町から、それぞれ子どもみこしの寄贈を受けた。13年11月には本みこし復活を目指し、有志による「うのすみ神輿(みこし)つくろう会」を発足。複数のボランティア団体が協力し全国規模で寄付を呼びかけたほか、日本財団の支援(みこし製作、みこし蔵兼こもり場建築費用など)が決まり、昨年、発注にこぎ着けた。総代らも予想をしなかった異例の速さで念願がかなった。

 

 新しいみこしを目にした花輪宮司は「涙が込み上げてくる。支援してくださった方々へ感謝の気持ちでいっぱい。このみこしを心のよりどころとして、気持ちを新たにみんなで協力し、鵜住居の早期復興につなげていきたい」と誓った。

 

(復興釜石新聞 2015年9月12日発行 第418号より)

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