「世界の宝」誇りを胸に、「橋野」世界遺産 日本の近代化はここから

2015/07/10|カテゴリー:復興釜石新聞 地域 観光

世界遺産登録決定の横断幕を掲げ
世界遺産登録決定の横断幕を掲げ、万歳三唱で登録決定を祝う栗林小の児童=6日正午ごろ、橋野鉄鉱山インフォメーションセンター前

 

 「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録から一夜明けた6日、「橋野鉄鉱山・高炉跡」がある釜石市橋野町も祝賀ムードに沸いた。同町青ノ木の橋野鉄鉱山インフォメーションセンター前で行われた登録報告会には、地元住民ら約250人が参加。栗林小(菊池信男校長、児童47人)の全校児童は登録決定の横断幕を掲げ、「自分たちの手で高炉跡周辺をきれいに」と思いを新たにした。 

 

 報告会に臨んだ野田武則市長は「地元の人たちが遺跡を大事にしながら今日に至る。こうした多くの方々の取り組みも世界遺産に匹敵する。日本の近代化は、この橋野からスタートしたといっても過言ではない。日本の誇りを取り戻す聖地となる」と登録の価値を強調。地元住民でつくる橋野町振興協議会の菊池成夫会長(73)は「今後も遺跡や周辺環境の保護に努め、子どもたちが鉄について学ぶ場としたい」と地域資源の活用を誓った。

 

 鏡開きに続き、栗林小児童が掲げる横断幕を前に全員で万歳三唱。今年も高炉跡周辺の清掃活動を行った小澤一眞君(3年)は「遺跡も周辺の森も、ごみがないようにしたい」、内藤陽芽(ひめ)さん(4年)は「昔の人の苦労が分かりました。遺跡を多くの人に見てほしい」と願った。

 

 橋野高炉跡には登録勧告が出た5月4日以降、来訪者が急増。5月だけで6300人余りを数え、昨年度1年間の来訪者を超えた。日曜日の来訪者はほぼ300人に上る。市観光交流課によると、釜石駅と結んで6月から週末に運行を始めたシャトルバスも、その後JRのバスツアーが加わったことでほぼ満席状態が続く。

 

 登録決定から一夜明けた6日は平日の2倍を超す約250人が高炉跡に足を運んだ。登録決定後、団体客の第1号となったのは前沢町の納税組合の13人。その一行と一緒にガイドの説明を受けた神奈川県平塚市の中村義次さん(66)は「世界遺産になったばかりの姿を見ることができてラッキー。大したことないのかなと思って来たが、先人が培った技術はすばらしい。歴史の重みを感じる」と喜んだ。

 

橋野高炉・三番高炉跡
世界遺産登録後、団体客の第1号となった前沢町の納税組合一行。「記念すべき日と重なり、ラッキー」と喜んだ=6日午前11時ごろ、橋野高炉・三番高炉跡で

 

 一行の案内を担当した釜石観光ボランティアガイド会の川崎孝生さん(74)は「登録おめでとう―と声をかけられ、うれしかった」。2週間前に担当が決まり、ドキドキしながらこの日を待っていたという。「楽しく、飽きさせないガイドを今後も」と思いを新たにした。

 

 一方、義姉が釜石にいるという埼玉県上尾市の菊池輝美さん(73)は「この日に来ることができて良かった。ちょっと遠いけど、すごいですね」と高炉跡の石組みに手を当てた。

 

 釜石観光物産協会の委託で6月から専任ガイドとなった三浦勉さん(63)は「やっと登録の実感がこみ上げてきたが、これからさらに来訪者が増え大変なことになりそうだ。一人でも多く専任ガイドを務めてくれる人を増やして乗り切りたい」と意気込みを語った。

 

(復興釜石新聞 第400号より 2015年7月8日発行)

 

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