日本初のごみ溶融炉、役目終え解体へ 釜石市清掃工場

2015/06/02|カテゴリー:復興釜石新聞 地域

釜石市清掃工場
役目を終え解体される釜石市清掃工場

 

 日本初のごみ溶融炉で、いったん停止した後、東日本大震災のがれき処理のため再稼働した釜石市清掃工場が役目を終えて解体されることになり、25日、釜石市栗林町の現地で解体工事の安全祈願祭が行われた。1979年の稼働開始から30年余り。関係者は「おかげで計画通り、がれきを処理することができた」と解体を惜しんだ。

 

 同清掃工場は、金属やプラスチックなど混合ごみの焼却が可能な全国初の溶融炉として1979年9月から稼働を開始した。溶融炉は、新日本製鉄(現新日鉄住金)が製鉄技術を応用して開発。1700~1800度の高温でごみを溶かすことから、ダイオキシンなどの有害物質も発生せず、新時代のごみ清掃工場として注目を集めた。

 

震災後再稼働 がれき4万2千トン処理

 

 2基の溶融炉を合わせた処理能力は1日当たり109トン。老朽化や沿岸南部クリーンセンターの完成に伴い2011年1月に停止したが、その直後に震災が発生。市は、津波で発生した大量のがれき処理を進めるため、3億円余りをかけて溶融炉を改修。12年2月から14年3月まで、市内で発生した可燃性災害廃棄物のほぼ半分に当たる約4万3千トンを処理した。

 

 解体工事前の安全祈願祭には関係者約30人が出席。神事に続き、若崎正光副市長は「老骨にむち打ち、獅子奮迅の働きをしてくれた」と、役目を終える溶融炉をねぎらった。新日鉄住金エンジニアリングの山田良介副社長は「釜石は日本の近代製鉄発祥の地で、溶融炉も国内1号機。現在、34カ所で稼働する溶融炉の技術は、ここで培われた。稼働開始から32年。最後までよくやったと褒めたい」と述べた。

 

溶融炉の解体を惜しむ若崎正光副市長
「老骨にむち打ち、獅子奮迅の働きをしてくれた」と 日本初の溶融炉の解体を惜しむ若崎正光副市長

 

 溶融炉は6月から解体工事に入り、来年3月までに姿を消す。解体工事費約7億7700万円は国の交付金などを活用する。跡地は更地にするが、今のところ新たな施設整備計画はない。一角に残るリサイクル施設は今後も継続して稼働する。

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