島倉千代子さんの歌碑に音声装置〜根浜に流れる「おかえりなさい」、後援会員ら寄付募り実現

2017/11/07|カテゴリー:復興釜石新聞 地域

 音声装置が加わった島倉千代子さんの歌碑の前で関係者らが記念撮影

音声装置が加わった島倉千代子さんの歌碑の前で関係者らが記念撮影

 

 釜石市鵜住居町の根浜海岸を望む一角に建つ、2013年に死去した歌手島倉千代子さんの歌碑近くに音声装置が設置され、10月28日、現地でお披露目された。装置は高さ約120センチ、幅約75センチで、ボタンを押すと歌碑に刻まれた島倉さんの「おかえりなさい」を聞ける仕組み。♪あなたの帰りを待っている 変わらぬ心がここにある――。集まったファンらは温かみのある島倉さんの歌声にじっくり聴き入り、歌声を重ねて笑顔を見せた。

 

 歌碑は白御影石製で高さ90センチ、幅約1・4メートル。表に歌詞を刻み、背面には島倉さんが優しくほほ笑むジャケット写真が配置されている。同曲は定年を迎える団塊世代の男性に向けて歌ったものだが、東日本大震災を受け、「帰っておいで」と呼び掛ける歌詞が、犠牲者や行方不明者に向けて歌っているような内容であることから、島倉さんは「被災地が落ち着いたら歌いに行きたい」と希望。その思いを遂げられぬまま、他界した。

 

 それを知った後援会(吉田恵美子代表)が「思いをかなえたい」と被災地に歌碑を建てることを計画。島倉さんの思いを知った旅館「宝来館」が快く場所を提供し、16年に旅館の裏山にある避難路入り口付近に歌碑を建立した。

 

 今回、音声装置を設けるきっかけとなったのは、歌碑を訪れた人から多く寄せられた「どんな曲?歌が聞けたらいいのに」「曲が聞けないのは寂しいね」との声。会員に寄付を募ったところ150万円が集まり、要望に応えることができた。

 

ボタンを押すと「おかえりなさい」が流れる音声装置

ボタンを押すと「おかえりなさい」が流れる音声装置

 

 お披露目には後援会の会員、地元ファンのほか、歌碑や避難路の清掃、花の植栽活動を続けている花巻市シニア大学の受講者有志でつくる「花っ子夢クラブ」のメンバーも参加。作詞の友利歩未さん、作曲の杉村俊博さんも駆けつけ、装置の除幕を行った後、歌碑の前で声を合わせて「おかえりなさい」を歌った。

 

 吉田代表(67)=大阪府吹田市=は「『一緒に歌っているよ』という島倉さんの声が聞こえてくるよう」と感無量の様子。「島倉さんの歌声が、震災で今も行方の分からない人たちへの呼び掛けに、被災した方たちの希望の明かりになれば。この場を訪れた人が震災を記憶し続ける手伝いにもなれたらいい」と願った。

 

(復興釜石新聞 2017年11月1日発行 第635号より)

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