大火の被災木を活用、釜石大観音仲見世通り空き家改修へ〜山林所有者を支援、利用促進へPRを兼ね

2017/09/29|カテゴリー:復興釜石新聞 地域

  被災木を製材した板を床に貼る作業に取り組む関係者

被災木を製材した板を床に貼る作業に取り組む関係者

 

 5月に発生した釜石市尾崎半島山林火災の被災木を、建材として活用する取り組みが始まった。大平町の釜石大観音仲見世通りで空き店舗をリノベーションする一級建築士の宮崎達也さん(45)=宮崎建築事務所代表=が、釜石地方森林組合(久保知久組合長)から試験伐採したスギ材の提供を受け、床板などに活用。被災木も利用可能であることを発信し、山林所有者の経済的損失を少しでも抑制できればと、関係者は同木利用への関心の高まりを期待する。

 

 6月から改修が進められている同仲見世の空き店舗は、木造2階建て。土産物店として使われた後、20年ほど空き家になっていた物件を宮崎さんが購入した。2階の約50平方メートルを釜石市の「起業型地域おこし協力隊」(6人)のシェアオフィスにする計画で、現在、被災木を使った床貼り作業が行われている。

 

改修作業を実施中の釜石大観音仲見世通りの空き店舗(左手前)

改修作業を実施中の釜石大観音仲見世通りの空き店舗(左手前)

 

 17日は、宮崎さんが代表を務める市民団体「釜石大観音仲見世リノベーションプロジェクト」や入居する同隊、関係するパソナ東北創生などから約10人が集まり作業。設置場所の寸法を測って板の長さを調整し、木目や色を考えながら配置した。オフィスとしての利用は来月からを予定する。

 

 サイクリングのツアーガイド事業を構想する同隊の福田学さん(40)は「自分たちのオフィスを手作りしていくのは新鮮で、愛着も持てる。地元の木材を使わせてもらい、うれしく思う」と、新たな仕事場の完成を心待ちにする。

 

 同山林火災の被害面積は約413ヘクタール。スギが約180ヘクタールと最も被害が大きく、販売可能な樹齢50年以上の木が多く被災したため、販売先の確保が課題となっている。これまでに県外の集成材工場が買い取りを引き受け出荷も始まっているが、同組合では輸送コストなども勘案し、引き続き受け入れ先を探している状況。

 

 組合職員が6月に試験伐採した約30本は、大槌町の上田製材所で製材され、今回のリノベーションに7本を提供したほか、品質を確かめてもらうための製材所向けサンプルとして活用されている。

 

 同組合で活動する釜石リージョナルコーディネーター(釜援隊)の手塚さや香さん(38)は「被災しても多くの立木は利用可能。今回の活用がそのPRになれば」と話し、今後、地元から被災木活用の動きが活発化することで、山林所有者支援につながることを願った。

 

(復興釜石新聞 2017年9月23日発行 第624号より)

 

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