震災を知らない子ら駆け出す〜鵜住居幼稚園、待望の園舎 高台に完成

2017/04/21|カテゴリー:復興釜石新聞 文化・教育

元気に駆け出す鵜住居幼稚園の園児。新園舎の完成を喜んだ

元気に駆け出す鵜住居幼稚園の園児。新園舎の完成を喜んだ

 

 東日本大震災で全壊し、仮設園舎で保育を行ってきた釜石市立鵜住居幼稚園(磯田育子園長)の新園舎が鵜住居町の高台に完成し、10日、竣工(しゅんこう)式が行われた。園児や保護者、市関係者ら約60人が参加し、本園舎の完成を喜んだ。

 

 式では、野田武則市長が「震災の教訓を生かし、二度と悲劇を起こさないよう園舎を高台に建設。命を大切にしながら、将来のまちを担う子どもたちの人材育成に貢献してほしい。子どもたちの健やかな成長を地域と共に見守っていきたい」とあいさつした。

 

 園児17人は園歌や「ちびっこ虎舞」を元気いっぱいに披露し、お祝いに花を添えた。木川田宝生(たお)ちゃん(4)は「きれいでうれしい。外で遊びたい」とにこにこ顔。早速、友達と真新しい園舎や園庭を駆け回り、歓声を響かせた。

 

 同園は今年3月、海が見える高台に完成した鵜住居小、釜石東中、鵜住居児童館と一体で整備された。新園舎は海抜18メートルにある小学校舎に隣接する敷地面積約5148平方メートルの土地に、延べ床面積約579平方メートルの木造平屋の建物、約900平方メートルの園庭を整備。主な施設は保育室3室、預かり保育室、遊戯室などを配した。保育室を園庭からの明るい日差しが届くように配置したほか、風通りを良くして快適に過ごせるよう配慮。床や壁仕上げにも木材を多用し、木のぬくもりを感じることができる温かみのある空間を完成させた。

 

木のぬくもりあふれる真新しい園舎で遊ぶ子どもたち

木のぬくもりあふれる真新しい園舎で遊ぶ子どもたち

 

 同園は1979年に創立し、鵜住居地区防災センターそばで運営してきたが、震災の津波で園舎が全壊。当時の園長を含め教諭4人が犠牲になっている。震災後は天神町にあった市立第一幼稚園で合同保育を行い、2013年は休園したが、14年から鵜住居町太田の仮設園舎で再開。15年6月から園舎建設工事をしてきた。総事業費は約3億1454万円。

 

 磯田園長は「子どもたちが安全に暮らせるのが一番。自分が住むまちを身近に感じられるような活動をしたい。震災を知らない子たちなので、小学校と連携して避難訓練の見学なども行っていければ」と話した。

 

 入園式は11日に行われ、9人が仲間入りした。

 

(復興釜石新聞 2017年4月15日発行 第580号より)

 

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