釜石森林組合助成制度設立、被災地再造林を支援〜林業経営持続を推進、釜石・大槌 皆伐に対応

2017/04/20|カテゴリー:復興釜石新聞 産業・経済

高性能林業機械を使った間伐現場の様子=栗林町、釜石地方森林組合提供

高性能林業機械を使った間伐現場の様子=栗林町、釜石地方森林組合提供

 

 県森林組合連合会(県森連、中崎和久会長)と釜石地方森林組合(久保知久組合長)は、釜石市、大槌町の森林所有者の再造林活動を支援する独自の助成金制度を設けた。釜石森組管内を含む県内沿岸部では震災後、生活資金の確保や住宅再建のため、木を全て切る皆伐(かいばつ)が増える一方、伐採後の再造林への資金が不足し放置される山が多い。助成により植林を進めることで地域の森林環境保全、林業の持続的経営を推進する。

 

 釜石森組は2007年から新日鉄住金釜石製鉄所、釜石市の3者で間伐後の山林に放置されている端材などを有効利用するため、「緑のシステム創造事業」を立ち上げ、林業や関係産業の活性化、雇用拡大、再生可能エネルギーの利用拡大などに取り組んできた。10年から同製鉄所内の石炭火力発電所で使うバイオマス燃料となる木材を納入。県森連が木質バイオマスの収集窓口となったことを受け、昨年7月に収益の一部を積み立てる基金を設け、助成の原資とすることにした。現在の積立額は約600万円。

 

 助成金の対象は釜石森組管内の釜石、大槌両市町の山林所有者で、所定の森林経営計画をまとめた人を支援する。国、県が合わせて約7割を支援する森林整備補助金に上乗せする形で、山林所有者の負担がほぼ生じない仕組み。初回の助成先は3月に決めており、箱崎町など8カ所、計30・58ヘクタールの所有者8人に合わせて約500万円を支援した。

 

 被災地では皆伐して売り払い、住宅資金や生活費を工面するケースが増えている。釜石森組管内でも震災後、少なくとも約200ヘクタールが伐採。震災前の3倍ほどのペースだという。生活再建が最優先される中、再造林への資金が不足していることや負担を敬遠する傾向があり、再造林率は7%にとどまっている。

 

記者会見する(左から)久保組合長、野田市長、中崎会長

記者会見する(左から)久保組合長、野田市長、中崎会長

 

 釜石市役所で12日、記者会見した県森連の澤口良喜専務は「民間主体の助成は県内初。再造林を促す取り組みにより森の荒廃と資源枯渇を食い止めたい。この動きが県全域に広がってほしい」、釜石森組の久保組合長は「助成により計画的な森林の維持活動が見込まれる。持続的経営を導いて地域経済の活性化に貢献したい」と話した。

 

 同席した野田武則市長は「民間主導の先進的な取り組みで、被災地林業の大きな力になる」と期待した。

 

(復興釜石新聞 2017年4月15日発行 第580号より)

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