釜高祭「新たな革命」をテーマに、SSHの企画も注目集める〜「センバツ初勝利」特別展示、釜石祥雲支援校は製品販売
SSH委員会の液体窒素を使ったアイスクリーム作りに興味津々の小学生
県立釜石高校(佐藤一也校長、全日制533人、定時制35人)の「釜高祭」は28日、一般公開された。学校統合で新たな歴史を重ねて9年目の同祭。今年のテーマに「Revolution~新たな革命~」を掲げ、一昨年の学校創立100周年から続く、生徒らの”さらに上へ”という意識がさまざまな企画に表れた。
展示発表では、文科省の「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」指定校ならではの企画が注目を集めた。1年生は「統合科学」で取り組んだグループ単位の研究成果をポスターにまとめ、来場者に解説。味覚、睡眠、記憶など日常に関わるテーマのほか、「チョロギの効能と食べ方」「地震雲と地震の関係」「夢と感情の関係性」など生徒らの着眼点が光る研究が並び、来場者の興味をそそった。
明るさが学習に与える影響を調べた佐々木祥太君(1年)は「今度は明るさの度合いを数段階に分けて実験してみたい。自分でテーマを見つけ調べる学習は難しいが面白い」と一歩進んだ研究に新たな意欲を示した。
SSH委員会のメンバーはマイナス196度の液体窒素を使った実験を公開。材料を瞬間的に凍らせて作るアイスクリーム、凍ったテニスボールを床に落とすと茶わんのように砕け散る実演などで来場者を驚かせた。甲子小6年の藤井彩さん、鷹木寿菜さんは、滑らかな食感のアイスのおいしさに感激。「こういう実験ができる高校は楽しそう。いろいろ勉強になった」と目を輝かせた。
同委員の平松孝基君(2年)は「釜高祭は委員会活動をアピールできる機会。自分自身も科学やロボットに興味があり、特殊な実験などができる委員会は魅力的」と喜ぶ。
同校のSSH指定は2012年度から5年間で本年度が最終年度。理数科・SSH推進室副主任の高橋一成教諭は「(指定により)多様な学習の機会を得て、生徒たちの興味、関心は確実に高まった。特に理数科の課題研究では学校で習う範囲以外のことにも挑戦し、自ら考える力、積極的な学習姿勢も身に付けている」と成果を実感。同校は来年度からの指定も目指し、申請への準備を進めることにしている。
野球部の春のセンバツ大会の活躍を紹介した特別展示
釜高祭ではこの他、春の全国選抜大会で初勝利を収めた野球部の活躍を紹介する特別展示、各種文化部の展示やステージ発表、定時制の授業や行事、部活動の紹介など、日ごろの学校生活の様子や学びの成果を広く公開した。また、昨年度から同校舎内に移転した県立釜石祥雲支援学校高等部(14人)は、作業学習で取り組んだ製品を販売した。
同祭は全日制、定時制、祥雲校の3生徒が交わる機会にもなる。今年は祥雲校の販売スペースがある1階のコミュニティーホールに、定時制の模擬店とPTAの喫茶を併設し、生徒らが自然に交流できる空間を設けた。また、祥雲校の生徒が積極的に全日制の教室を回る姿も見られた。
(復興釜石新聞 2016年8月31日発行 第516号より)
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