真夏のビーチ雪合戦、復興の願い込め砂上でバトル〜県内初の試み、片岸海岸で県内7チーム交流戦
岩崎実行委員長(右)と「タイガーセブン」メンバーによる始球式で交流戦が幕開け
浜辺を活用した”スポーツ雪合戦”で復興途中の沿岸に元気と活気を―と、岩手県内の競技チームによる「真夏のビーチ雪合戦交流戦」が7月30日、釜石市片岸町の片岸海岸で開かれた。ビーチ雪合戦は県内でも初の試み。主催した同実行委は「根浜海岸の復興工事が完了したら、根浜でも開催したい」と意欲を燃やす。
交流戦には7チーム、約70人が参加。北海道で開催されている国際雪合戦大会で世界一に輝いた西和賀町のチームや各種大会で上位入賞を果たしている遠野、花巻市などのチームが招待された。開会式で岩崎昭子実行委員長(宝来館おかみ)は各地からの参加に感謝し、「スポーツのまち釜石、鵜住居地区の実現に向け、ぜひ盛り上げてほしい」とあいさつした。
同競技は1チーム7人で対戦。冬季は雪玉を使うが、オフシーズンは、お手玉のような”室内専用球”で試合を行う。今年の岩手国体では、デモンストレーションスポーツとして「室内雪合戦」が西和賀町で行われることになっており、交流戦には国体出場メンバーも参加した。3分3セットマッチでリーグ戦を実施。雪上の戦いの舞台を浜辺に変え、競技を楽しんだ。
震災を乗り越えた浜辺で、県内の雪合戦強豪チームが熱い戦いを繰り広げた交流戦
地元釜石市からは、2016遠野早池峰雪合戦大会MIX3位入賞を機に、今年5月から本格的に練習を始めた「タイガーセブン」が出場。メンバーは市内と大槌町居住者で構成する。親子で競技に親しむ長洞奈央さん(大槌学園8年=中2)は、野球スポ少で鍛えた肩を生かし、チームの主力として活躍。初めてのビーチ雪合戦に「雪とは違う楽しさがある。地元のビーチでできるのもいい」と競技を満喫。父親の幸樹さん(42)は県内でも有数の強豪チームとの対戦に「レベルの差を感じるが、戦略やチームプレーなど見習う部分が多い。今回は、内陸の皆さんに被災地の現状を見てもらう機会にもなった」と地元開催を歓迎した。
同交流戦は、釜石市の唐丹すぽこんクラブと遠野市の綾織スポーツクラブが中心となり実行委を立ち上げ企画。唐丹すぽこんのメンバーで事務局を担当する佐久間定樹さん(34)は「冬の雪合戦競技を浜辺でやることで、夏にも競技仲間の交流が図られる。今回はレクリエーション的な感じだが、いずれは大会という形で開催していければ」と期待を込めた。
(復興釜石新聞 2016年8月3日発行 第509号より)
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