「ラグビーW杯盛り上げよう」スクラム釜石、「東北ライド」320キロ走破 福島県・南相馬ー釜石縦走
320キロを走破。ガッツポーズで鵜住居根浜にゴールインしたスクラム釜石のメンバーら
釜石市が開催地の一つに決まった2019ラグビーワールドカップ(W杯)を盛り上げようと、震災後から釜石の復興支援活動を展開する「スクラム釜石」(石山次郎代表)が福島県南相馬市から釜石まで東北沿岸を自転車で縦走する「スクラム東北ライド」を企画。18日から3日間にわたって320キロを駆け抜け、20日午後1時過ぎ、ゴール地点の鵜住居町根浜に無事到着した。
スクラム釜石は、ラグビー日本一7連覇を達成した新日鉄釜石ラグビー部OBを中心に結成。「東北ライド」には、W杯を釜石、岩手にとどまらず、被災地全体、東北全体に復興をもたらすイベントにしよう―との思いを込めた。
石山代表(58)、高橋博行事務局長(58)らメンバーや支援者6人がそろいの赤いユニホーム姿で参加。18日昼過ぎ、南相馬市出身の渡瀬あつ子さんが歌うラグビー応援ソング「楕円桜」に送られ道の駅を出発、ひたすら北上した。渡瀬さんはその後、車で釜石まで伴走した。
途中、宮城県名取市では震災で大きな被害を受けた閖上地区に立ち寄り、犠牲者に黙とうした。
19日は仙台市をスタート。W杯のキャンプ地に名乗りをあげている石巻市では、ラグビー仲間と交流した。俳優の渡辺謙さんの支援で開店した気仙沼市のカフェでは、渡辺さんからの応援メッセージも届けられた。
20日は陸前高田市、大船渡市を経て釜石へ。大町のタウンポート大町では、商店街の人たちも大漁旗を打ち振って迎えた。さらに鵜住居町のスタジアム建設予定地を走り抜け、ゴール地点の根浜・宝来館では地元の鵜住居虎舞が勇壮な舞で完走を祝った。
鵜住居地区のスタジアム建設予定地を自転車で走り抜ける石山次郎代表(右)ら
石山代表は「行く先々で『オレも手伝いたい』『何かできないか』と、たくさんの声援をもらった。ラグビーが盛んなニュージーランドでは、2019W杯開催地の中で真っ先に釜石の名があげられるとも聞く。国内外の力を結集し、被災地全体の復興を後押しする大会にしたい」とW杯成功へ思いを新たにした。
(復興釜石新聞 2015年7月25日発行 第405号より)
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