人気の味「シェフズ弁当」に 釜石・大船渡 13店が届ける


2015/07/08
復興釜石新聞アーカイブ #産業・経済

釜石と大船渡の人気の味を詰め込んだ13種類の「シェフズ弁当」を説明する小澤社長
釜石と大船渡の人気の味を詰め込んだ13種類の「シェフズ弁当」を説明する小澤社長

 

 釜石市内でスーパーと法人向けの弁当販売を展開している丸和(小澤伸之助社長)は、釜石、大船渡両市で人気を集める飲食店13店の味を弁当にして届けるプロジェクトを始めた。カレーやカツサンド、激辛ホルモン煮込み、懐石料理など地元で愛される味を「シェフズ弁当」と名付け、1日から販売を開始した。小澤社長は「両地域の味を知ってもらい、各店を訪れるきっかけになれば」と期待を込める。

 

 弁当は釜石8店、大船渡5店の計13種類で、和洋中、多国籍の幅広いメニューをそろえた。仮設店舗と移動販売車で営業している「あんでるせん」(釜石)の「釜石バーガー」の400円から、海の幸をふんだんに使った「活魚すごう」(大船渡)の「三陸の旬彩御膳」の3千円までと価格もさまざま。基本的に各店が製造するが、店の看板メニューを弁当に合うように材料とレシピの提供を受けて丸和が調理するものもある。

 

 予約制で、事前に電話で注文を受け丸和が各店に取り次ぐ。注文が10個以上の場合は地域限定で宅配。10個未満は、両市に1カ所ずつ設ける販売所で受け取ってもらう。

 

 丸和は震災の前日、平田にスーパーをオープン。震災後には弁当販売も始め、工事現場からの注文が多いという。小澤社長が「被災地の飲食店は客の伸び悩みが課題。復興需要はいつまでも続かない。その備えとして、同じような課題を抱える飲食店と連携した新たな市場開拓ができないか」と考える中、昨年12月に参加した人材育成塾で同プロジェクトを企画提案。今年3月から飲食店に参加を打診、オリジナル弁当の開発を進めてきた。

 

 6月30日に浜町の料亭幸楼で開かれた試食会で、小澤社長は「弁当が各店の知名度を高め、収益の新たな柱になれば。『おいしい』と思ってもらうだけでなく、実際にお店に行ってもらう仕組みを作りたい。始まったばかりだが、その輪を広げていければ、地域経済の活性化につながる」とあいさつ。「楽味御膳」(3千円)を提供する幸楼の金澤敬専務は「地域の食材のサポート、新しい顧客の確保など利点があり、店の活性化の基本になる大事なつながり。他の商品開発にも生かしたい」と意欲を見せた。

 

 同プロジェクトは今後、気仙沼、仙台市でも事業展開を予定している。

 

 注文や問い合わせは窓口(電話0800・800・1408)へ。釜石の販売所は大町のマルワセントラルキッチン、大船渡は復興大船渡プレハブ横丁内のKAIZAN。

 

 参加店は次の通り。
 【釜石】▽洋食のあべ▽cafe・assam▽あんでるせん▽キッチンコリンズ▽新来軒▽料亭幸楼▽魚貞食堂▽マルワマート
 【大船渡】▽Kojika▽ルポゼ▽KAIZAN▽活魚すごう▽鮨・季節料理ささき

 

(復興釜石新聞 2015年7月4日発行 第399号より)

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