復興五輪へ関心喚起、聖火リレートーチ展示
五輪(左)とパラリンピックの聖火トーチを見学する親子
新型コロナウイルス感染拡大で1年延期された東京2020五輪、パラリンピック競技大会の聖火リレートーチの巡回展示が2月27、28の両日、釜石市のイオンタウン釜石で行われた。「復興五輪」への関心喚起を目的に聖火事業等県実行委が主催。県内の五輪聖火リレーは6月16日から3日間予定され、同市では17日に実施される。
県内33市町村で行うトーチの展示は、昨年9月の雫石町を皮切りに始まり、釜石市は22カ所目。両大会のトーチは長さ71センチ、重さ1・2キロのアルミ製。桜をモチーフにしたデザインで、花びらを模した上部から立ち上る5つの炎が中央で一つになる構造。素材の一部に東日本大震災の仮設住宅に使われたアルミ建築廃材を再利用する。色は五輪用が桜ゴールド、パラ用が桜ピンク。パラのトーチには大会の精神を表す4つの言葉が点字で入れられている。
五輪聖火リレーは3月25日、福島県からスタートする。岩手県では6月16日から18日までの日程で、約64キロの道のりを約280人のランナーがつなぐ。2日目の沿岸8市町村を回るコースで釜石市は6番目。魚河岸から市民ホールTETTOまで約1・2キロを8人のランナーがつなぐ。
トーチの展示と合わせ会場では、東京大会で日本代表選手が着用予定のユニホームや過去の五輪、世界選手権で着用したユニホームも公開。本県出身選手が出場した過去の大会の歴史がパネルで紹介されたほか、三ヶ田礼一さん(スキーノルディック複合)、大井利江さん(パラ円盤投げ)ら本県出身4選手が大会で使用した競技用具も展示された。走り幅跳び、高跳びの選手が出した世界、日本記録を実感できる模擬セットもあり、来場者の注目を集めた。
コロナの収束が見通せない中、開催への不安の声もある東京大会。見学に訪れた市内の会社役員男性(44)は「選手のことを考えると、無観客など何らかの方法で開催への道を探ってほしい。予算もかけて準備してきたものが全部ゼロになるのはもったいない」と話し、今後の動向を注視した。
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