航空自衛隊中央音楽隊、4年ぶり釜石で演奏会〜ブラスでクリスマスプレゼント


2021/01/04
復興釜石新聞アーカイブ #文化・教育

迫力の演奏で観客を楽しませた演奏会

迫力の演奏で観客を楽しませた演奏会

 

 航空自衛隊航空中央音楽隊(松井徹生隊長、東京都立川市)の演奏会が19日、釜石市大町の市民ホールTETTOで開かれた。岩手日報釜石広華会(澤田政男会長、23会員)、岩手日報社、釜石市民ホールが主催。同音楽隊の釜石来演は、2016年7月にイオンタウン釜石の屋外施設で開いた野外演奏会以来4年ぶり。隊員約50人が2部構成のステージで楽しませた。

 

 新型コロナウイルス感染防止のため、客席数を50%に制限。釜石市、大槌町の住民限定で事前に入場整理券を配り、約370人が来場した。

 

 ナイジェル・へス作曲「クリスマス序曲」で幕開け。1部では、約15分の大曲「メトロポリス1927」(ピーター・グレイアム作曲)を演奏。100年後の未来都市を描いたSF映画「メトロポリス」(1927年公開)のイメージを音楽で表現した作品で観客を魅了した。

 

 2部は耳なじみのある楽曲を披露。ジブリ映画「もののけ姫」より「アシタカとサン」、フィギュアスケーターの荒川静香さんがトリノ五輪で金メダルを獲得したことでも知られる歌劇曲「トゥーランドット」より「誰も寝てはならぬ」、ベートーベン交響曲第9番第4楽章の〝歓喜の歌〟をアレンジした「ジョイフル・ジョイフル」―などを聞かせた。

 

 アンコールに応え、「釜石市民歌」と日本の唱歌メドレーも演奏。音楽で最高のクリスマスプレゼントを届けた。

 

 同音楽隊は防衛大臣直轄部隊として1961年に発足。国家行事や国際イベント、国内外各地での演奏会など年間約100回の演奏活動を行うが、今年はコロナの影響で約10カ月間、演奏会ができない状態が続いた。先月からコンサートホールでの演奏が再開され、釜石は4カ所目の開催地となった。

 

 釜石市民吹奏楽団で活動する30代女性団員2人は、同隊の演奏を初めて鑑賞。「いい音を聞かせていただき、感激です。親しみのある曲も多かったが、技術レベルが高いとやはり伝わる力も大きいと感じた」と刺激を受けた様子。

 

 自衛隊OBによる県隊友会釜石気仙支部の横山幸雄支部長(83)は「4年前にも聞いたが、本当に素晴らしい演奏。心が落ち着く。釜石で演奏してくれるのはOBとしてもうれしいこと。また来てほしい」と望んだ。

 

 主催した釜石広華会は岩手日報の広告主で組織。会員は市内の多様な業種から成り、地域文化の発展を目指し、年に1回、コンサートや落語会、講演会などを行っている。

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