「まちまでタクシー」試験運行〜スーパー・病院と結ぶ、大畑団地で出発式

復興釜石新聞2020/10/20

専用ステッカーが掲示された「まちまでタクシー」の第1便の利用者

専用ステッカーが掲示された「まちまでタクシー」の第1便の利用者

 

 釜石市甲子町の大畑団地で6日、予約制の相乗り交通「まちまでタクシー」の試験運行が始まった。同団地内の集会所前で出発式があり、第1便の利用客を住民らが手を振って見送った。地域内移動支援のモデル事業として市の補助を受け12月31日まで試行。同団地内と町内にあるスーパー、病院を結ぶ。

 

 運営主体は同団地自治会(菅原武会長、約150世帯)。市の助成金(1カ月1万円)を活用し活動する。運行は火・土曜日午後にキクコーストアまで1日1往復、水曜日午前に県立釜石病院までの往路1便。集会所前など団地内3カ所を乗車場所に設定している。

 

 利用するには登録が必要で、登録料は3カ月500円。これまでに5人が登録している。希望日前日までに自治会に電話などで申し込み、自治会がタクシー事業者に配車を依頼する。最低運行人数(2人)に満たない場合や予約がない便は運行しない。

 

 運賃は利用者の割り勘となる。例えば、目的地のスーパー周辺まではタクシーで片道1200円程度かかるというが、3人で相乗りすれば400円。利用者は降車時に支払いをせず、後日自治会に料金を納入。自治会が1カ月ごとにタクシー事業者に支払う。

 

 同団地は路線バスが走る国道のバス停までは1キロ以上あり、公共交通へのアクセスが悪い。バスを運行する県交通に乗り入れを要望したこともあるが、坂や狭い道路が多いことから進展はなく、交通手段の整備が長年の課題とされてきた。

 

 市では、バス路線の利用が著しく困難な地域で交通弱者の利便性向上や地域コミュニティーの活性化を推進するため、町内会などの地域団体が主体となったタクシー相乗りの仕組みづくりを計画。同団地をモデル地区とし、約1年、実施方法など協議を重ねてきた。

 

 出発式で菅原会長は「住民の65%が65歳以上で、独居者や免許返納者も増えている。5年後、10年後を見据えると必要な取り組み。口コミで利用者を増やし、できるだけ長く運営していきたい」と意気込む。

 

 第1便には3人が乗車。小山内ミツ子さん(74)は「バス停まで歩いて行くのが大変だった。本当に便利になる」と喜んだ。

 

 市まちづくり課の小池幸一課長は「孤立防止や見守り、地域づくりにもつながる。手本として他地域に広めていけるよう、軌道に乗せてほしい」と期待。今後は持続可能な運営に結び付くよう側面支援を行う考えだ。

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